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番外編 一人の時間

オナ/連続絶頂/甘々/本番有/詩視点 ◇ ◆ 「ん…っ、響くん…、響くん…っ」 響くんが帰るまでの時間、俺は日課のトレーニングをしていた。トレーニング内容は至って普通。 いつでも響くんがその気になってもいい様に、毎日欠かさずに解すこと。 と、理由を掲げたが、俺がただ性欲が強いだけとも言える。 響くんの匂いがする服を抱き締めながら、尻に手を伸ばしてゆっくりと指を挿入した。 「響く、…好き、大好きぃ……」 こんなにも自分が一人の人を想う日がくるとは思わなかった。学生時代からそれなりにモテてはいたが、誰かを思いながらしたことなんてないし、そもそも一人でした事なんて数える程しかない。 「…はぁ、っ、…」 そんな自分からは想像がつかない程に、今は毎日響くんを想いながら欲を発散していた。 ぎゅっと握り締めた服からは響くんの甘い香りがして、それが媚薬の様な効果をもたらした。 「ぅ……イク……響くん、響く……好き、好きっ…はぁ、大好き……」 あと一歩でイケる、そう思った瞬間、カタンと言う音が聞こえた。 「…詩、ただいま」 「……え"!?」 「帰る前にメッセージ送ったけど、今日は…その、早く仕事終わったから…」 「…うっ、うわあああああ!!!」 ボッと顔から火が吹き出そうになる程の羞恥が襲い、咄嗟に抱き締めていた服を持ち主に向かって投げつけた。 「え、これ俺の服?……何、もしかしてこれをおかずにしてたの?」 「違…っ、こっち来んな!バカ!あっち行って!!ちょ、ちょっと今は放っておいて!!!」 指を引き抜いて自分の服を探そうとすると、ニヤけた顔で近付いてきた。 「こーら、人の服勝手に使っておいてさ。その上投げつけるなんて。悪い子だね?」 服を探る手をガシッと掴まれると、そのまま押し倒された。 「ひ、びきくん!お風呂!お風呂入らなくていいの?帰って直ぐにベッドに上がるの嫌いじゃん!」 「うん。好きではないけど、可愛い詩を置いてお風呂に入れる程、俺は淡白じゃないよ。あ、ちゃんと手洗いとうがいはしたから安心して」 「いや、そんな心配はしてな……ん、」 最初はいつもの触れるだけのキスから始まった。その後は優しく俺の頭を撫でながら深いキスに変化していき、既に俺の頭はトロトロになった。 「んぅ…」 首に手を差し込み、少しだけ俺の顔を上向きへさせると、響くんの舌が上顎を這う。気持ち良さに抵抗する事は出来ず、俺はきゅっと響くんの服を掴んでキスを受け入れた。 「ふ…っ、ぅ、」 「…可愛い」 「…響くんも、可愛い…」 「もう。言うなら格好良いにしてよ。まぁ格好良くはないけどさ」 唇が離れると、ぷくっと片側の頬を膨らませて拗ねてしまった。それも可愛くて、首に腕を絡めてもう一度口付けた。 「ねぇ…っ、さっき俺…イキそうだったの。限界…解したから入れてよ…」 「うん。見てたから知ってるよ」 「…何か意地悪な言い方…。早く、してっ」 「どうしようかな」 「はぁ…?」 「俺の服を投げ捨てたからなぁ」 「それは…ごめん、なさい……」 「俺の服、どれくらいの頻度で使ってるの?」 「毎日……あの服、響くんよく着てるから…匂いが、凄いするから、」 「…ちゃんと洗ってるけどそんなに匂うの?」 「うん……響くん、甘い匂いがする…その匂い嗅ぐと…我慢出来ない…っ、今も、本物の匂いがやばいっ…もう、限界!早く入れてぇぇ……」 「んーくさくないならいいんだけど」 「くさくない!くさかったらわざわざ服持ち出したりしないっ…」 我慢が出来ずにジタバタと暴れると、響くんは上体を起こして俺を見下ろした。 「見ててあげるからさ。さっきの続きしなよ。服じゃなくて俺に抱き付いてさ」 「はぁ…?」 「おいで」 響くんはベッドへ腰掛けると、俺を起こして抱き寄せた。胸に顔を埋めると、響くんの匂いがして体が熱くなった。 「う……意地悪、なんでっ」 「さっきは邪魔してごめんね。イッていいよ?詩」 「あ……」 俺の事を抱き締めながら優しく頭を撫でてくれた。その心地良さと名前を呼ぶ声に、さっきまで指を入れていた箇所にきゅうっと力が入る。 「……響く、恥ずかしい……」 「そりゃ俺の服抱き締めながら盛大に好き好き言って一人でしてたら恥ずかしいよね?」 「ば…っか、ぁ……」 「辛いでしょ?早くしなよ」 「ぐ……あとで覚えてろよぉ…」 「うん。可愛い姿、しっかり覚えておくよ」 「うー……」 悔しかったが、どうしても我慢出来なくて、座っている響くんの胸に顔を埋めながら、四つん這いの状態になってゆっくりと指を入れた。 さっき慣らしていただけあり、やらしく入っていく指。すぐに数本受け入れたその中を弄ると、響くんがクスッと笑う声がした。 「笑うなぁ…ばか、」 「ごめんごめん。凄い気持ち良さそうだなと思って」 「響くん……好き、好きぃ……っ」 「……俺も凄く好き」 「あ…っ、ちょ、触んな…」 「何で触っちゃダメなの」 スルスルと俺の背中をなぞる指は、ゾワッとした快感を生み出し、力が抜けてコテンともたれかかった。 「ひ…ぁ、やぁっ……ぞわぞわする…っ今はダメぇ…」 「背中好きでしょ。あとこことかも」 背中を撫でながらもう片方の手はぷくりと反応した乳首を摘む。 「あぁ…っ、イク、響くん…イク、イッ……うぅ……好き…すきっ好き、大好き…!好き、」 「俺も大好きだよ」 自分で弄っているナカの刺激に、響くんの甘い香り。大好きな人の囁きに我慢なんて出来ずにぎゅっと指を締め付けた瞬間、ビクビクと何度も痙攣して絶頂した。 「うぅ………」 クタッと力尽きた俺は指を抜いて響くんに倒れ込むと、欲情した顔で俺をもう一度ベッドへ組み敷いてきた。 「入れるね」 「え…?ちょ、今…俺、イッ」 「うん。イッてたね」 カチャカチャとベルトと外して準備を整えた響くんが俺の足を開かせると、無遠慮に中へと入ってきた。 「うあっ…あっ、今はだめぇぇ…っ」 「中凄いあったかい。気持ち良い」 最初から前立腺を狙い撃ちしてくるドSにしがみつきながら、体は反射的に暴れ出す。気持ち良すぎて目の前がチカチカして、限界で。 「やぁっ…あ、そこっ…だめっ……ひぁっ」  「ここ好きだよね」 俺の弱い箇所ばかりを攻める動きに、体はビクンと大きく跳ね、背中がのけ反った。 「ひあっ!あぁァッ……だめっ、また、イッ…」 「…いいよ、何回でもイキなよ」 「うっ…うぅ……~~~っっ」 ぎゅうっと強くしがみ付きながら絶頂すると、先端からはトポトポと欲が溢れ出す。 「ふぁぁっ、響く、っらめっ…抜いてぇぇっ…ぁぁあっ」 「ん、俺がイクまではいっぱいここ、突いてあげるよ」 グリグリと刺激されると我慢出来なくて、逃げる様に腰を動かした。 「いっ、あっ、あっ、ぁあッ、も…あぅぅっ」 いつもなら一回イケば響くんも中でイッてくれるので、連続で責められる事は玩具位しかなかった。玩具よりも大好きな刺激は、強すぎて目の前がクラクラとした。 「い……っああぁっ、」 (あ、そうだ…名前、名前呼んだらすぐ、響くんイッちゃうから…) そう考えて口を動かそうとしたら、知ってか知らずか唇を重ねてきた。 「んむぅぅぅっ」 ガンガンと容赦なく動く腰と、絡まった舌。挙句手は胸に伸びてきて乳首を弄り出す。 「ん"ッッ……んんーーー!!!」 ビクビクと何度も痙攣して何度目か分からない絶頂をしても、響くんはイッてくれなくて。 「ん…詩、好きだよ」 唇が離れた合間に囁かれる愛にコクコク頷きながらポロポロと涙を流した。気持ち良すぎて溢れ出た涙は止まらず、一度出てしまえばたくさん零れ落ちた。 涙で歪む視界の中、響くんの余裕ない瞳と目が合った。 「あっ…好き…響く…っん、も、だめぇっ、だめ、っ」 「うん。俺ももうダメ。朝日、好きだよ。ずっと俺だけ見ててね」 「…うんっ、うん…日向くっ、ん…ずっと、ずっと好き!」 「ありがとう」 最後に唇が重なると、俺達は同時に絶頂した。 ◇ ◆ 「もーー!!連続責めとか最低だな!」 「頑張った俺を褒めてよ」 「本当…今日は中々イカなかったな!もしかして響くんも抜いてたの?」 「……ぬ、いてないし」 背を向けているのでどんな表情か分からなかったが、見えている耳朶と首筋が赤くなったのが分かった。 「へぇ~?へぇへぇぇぇぇ~響くんは何おかずにしてるの?いつしてるの?ずっと俺と居るのにぃ~」 「も…うるさいっ、言わないっ!詩こそめちゃくちゃ恥ずかしい事してるくせに!」 「俺は大好きな響くんの服を拝借してるだけっ。響くんはいつしてるの?ねぇねぇ」 「も…聞かないでっ、あっち行って…!」 逃がさない様にしがみついて問いただすとみるみる内に顔全体が赤く染まっていく。正直いつしてようがそこまで興味はないが、からかう目的で執拗に責め立てた。 「言ってくれるまで離さないー」 「も…詩、に決まってんじゃん…一人の時の、お供は……っばか、もうっ」  「へぇぇ。俺の何をおかずにしてくれてるの?」 これでパンツとか言われたら爆笑ものだ。暫くはそれでからかえそう。 期待も込めて俺は響くんにしがみつく力を強めながら待っていると、ゴソゴソと何かを漁り出した。 「……笑わない?」 「場合による」 「じゃあ言わない」 「言わないならこのままこちょこちょするぞ」 「…これ。この写真見たら……その、我慢出来なくなって昨日の夜しちゃったの……」 見せられたのは響くんとのツーショット写真。勿論卑猥な物ではない。強いて言うなら俺があり得ないくらい笑顔な事くらいで、イン◯タにあげても不思議はない様な一枚だった。 「…え、これ?」 「…この写真の詩の笑顔、めちゃくちゃ可愛いじゃん。だから…あーー…もう二度と一人の時のネタでいじめないから詩も聞かないで!お風呂入ってくる!!」 ペイッと俺を引き離すと、一目散に浴室へ向かった響くん。 俺の笑顔の写真を見て欲情するのは、それはそれで問題だろうが、俺の顔は異様に熱くなっていた。 (あーー…からかうだけのつもりだったのに、) 響くんに伝染して照れ屋になったのか。体の熱が冷めるのを待つ事にした俺は、バフンと勢いよく枕に顔を埋めた。 「やっぱり好き、響くん…大好き……」 投げつけた響くんの服を手繰り寄せ、もう一度抱き締めた。 「……あ。そういえば俺、出してないな」 前でイッてない事を思い出した俺は、響くんの服に顔を埋めながら第二ラウンドを開始した。 俺が追いかけてこないからか、不思議に思った響くんがまた俺の慰めシーンを目撃したのは数分後のお話し。 end.

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