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26 綺麗に泡立てて
晴れて潮吹きまで終えた俺は、グッタリとマットの上で呼吸を整えた。
「くっそ、ばっかやろぉぉ……」
「まぁショーでも連続でイカされる可能性はあるし、特訓になったんじゃない?」
「なったけどぉ……疲れた、ローションは恥ずかしい…やだ、」
「鬼畜攻めされたいって言う割に嫌がる事多いよね」
「だってさぁ…」
「まぁこのままじゃベッドに行けないし、ローション落としていくね」
「あー…お湯貯める?浸かった方が取れやすいだろ」
「シャワーでもポンポン叩いたらすぐ落ちるよ」
「…へぇ。流石、随分物知りだねぇ?」
「何その言い方。先にマウント取ったのは詩だよね」
響くんがシャワーの準備をしている間、俺はむすっとしながら待っていた。確かに自分から若干マウントを取りにいったが、響くんが俺より性に詳しいのは嫌だ。
「詩?」
「……バカ」
疲れ果てて感情が不安定なのか、無性に淋しくなり、顔が見えない様に呟くと、シャワーを止めてこっちへ来てくれた。
「…何」
「こっち向いて」
「…やだ」
「もしかして泣いてるの?そんなに嫌だった?」
「…泣いてない、けどっ…なんか、響くんがっ、物知りなのむかつくっ…」
「ごめんね、嫌な事言っちゃって。おいで」
腕の拘束を外してくれた響くんはヌルヌルの体で抱き締めてくれた。その体にぎゅっとしがみついてコクコクと頷いた。元々ヤキモチを妬かせにいっている俺が悪いのに、ちゃんと謝ってくれる大人な所も凄く好き。
「……俺が、悪い…ごめん」
「いいよ。俺も詩が物知りなの嫌だけど、色んな経験のおかげで今の詩が居るもんね。これからは俺と色んな経験していこうね」
「うん…していくー……」
ぎゅうぅ、と強く抱きつくとポンポンと背中を撫でてくれた。
「じゃあ寒いしそろそろシャワー浴びようか」
「うん」
再びシャワーの準備をしてくれている響くんにしがみついたまま待っていると、少し熱めのお湯がかけられた。
最初に言った通り、ポンポンと肌を軽く叩きながら熱いシャワーをかけられるとすんなりと落ちていくローション。
優しく手つきにぎゅっとしがみついたままで居ると申し訳なさそうな響くんの声がした。
「詩、前も流すから一旦離れれる?」
「うん」
言われた通り対面の状態に戻ると、前も綺麗に洗い流してもらった。その後、響くんもポンポン叩きながら自分についたローションを洗い流していた。
「なぁ」
「ん?」
「…俺が洗っていい?」
ローションを流し終え、ボディソープを準備している響くんにくっつくと、いいよ、と言われたので自分の体にソープを泡立てた。
マットの上で泡だらけにした体で響くんにくっつき、体同士を擦り寄せながら自分の気持ち良い所に当てたりして、少しの間お互いの体を泡立てた。
そしてある程度して、響くんを壁に追いやり、腋の下から脇腹を洗ってやると、ビクッと跳ねたのが分かった。
「ん、ちょっと擽ったい」
「でもここ、しっかり洗わないと」
このまま優位に立てる気がしてニヤリと笑うと、更にニヤリと笑った響くん。その表情はSっぽくて、ドキッとしてしまう。
「…そうだね。俺も洗ってあげるよ」
「わっ」
壁にもたれたままの響くんの両手が両腋に滑り込むと、泡立った手で擽られた。
「ひゃぁぁ…」
「滑らないように俺にしがみついてもたれてて」
「ん、んぅ…っ」
滑るのが怖いので言われた通りにしがみつくと、指は優しく腋を擽ってくる。でも笑わせる様な動きではなく、快感も混ざる様な優しいタッチに、少しずつまた体に熱が帯びていった。
「んっ……」
腋から移動した指はスルスルと背中をなぞり、ゾクゾクと背筋が震えた。
「あっ……~~、ふっ……んん……」
「背中も好きだもんね」
「好き…っ気持ち、良い……」
しがみついたまま素直にコクコクと頷くと、響くんの股間が何やら主張を始めた。
「響くん、勃ってるけど」
「……仕方ないでしょ、見ないで」
「ここも洗ってあげようか?」
「…洗うならこれ使って。デリケート用」
「響くんて美意識高いよね。俺も使おうかな」
「初めて一緒にお風呂入る時、使う?って言ったけどめんどくさいって言ってたじゃん」
「そうだっけ。忘れちゃったや」
渡されたのはとても高級そうなボトルに入ったソープ。普段は気にしていなかったが、いつもお風呂場に置かれていたので使い分けていたんだろう。そもそも初めて一緒にお風呂に入った時は情事後だったので完全に記憶から飛んでいた。
ソープを手に出して優しく泡立て、響くんの自身を包み込むと、体に力が入ったのが分かった。
いじめる目的はないので、優しく感じる様に扱いてやると、抵抗する事なく壁に持たれながら俺の頭を撫でてくれた。
「もう俺はいいよ、詩も綺麗にするよ」
絶頂する事なく、響くんはマットに俺を押し倒すと、グイッと少し乱暴に足を開かせた。
「あ…」
広げられた箇所を見られ、カァッと顔を赤らめると、響くんはソープを手に取って泡立てて、同じ様に優しく洗ってくれた。
「んん…ん、ぅ……」
先端やカリまで丁寧に洗う指遣いにビクビクと体を震わせていると、指は尻へ伸びてきた。
「あ…っ、やぁ……」
「ここも綺麗にしようね、詩」
欲情した響くんの顔に抵抗する事は出来ず、俺はコクンと小さく頷いた。
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