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30 ミニゲーム
「制限時間は5分。射精を伴うものは勿論、ドライオーガズムも絶頂の対象です。では、スタート」
次の瞬間、響くんは邪魔になるからか少しだけ離れた場所へ移動し、ニヤニヤ笑いながら腕を組んで俺を見つめていた。
(仮にも彼氏のくせして何でニヤけてんだあいつは!)
そう考える時間があったのはほんの一瞬。
お客さんは容赦なく"イカせる愛撫"をしてくるので、体は飛び跳ねる程に反応した。
「ひゃあぁっ…んぅっ……ん…!!」
ローターがグリグリと先端を刺激し、両サイドから伸びた手は乳首を摘む。
「ぅあっ…、んぅ……ふぁ…っ」
俺がガクガク震えていると、響くんが笑顔で俺の弱点を呟いた。
「因みに詩はローションで攻められると弱いですよ。特に足の付け根とか、一番敏感な場所とか、ね」
「は…?てめ、何…言っ、んはぁァッ!!」
時間がないからか、お客さん達はそれぞれがローションを手につけると容赦なく俺の肌へ塗りつけた。
「あっ、やだっ…あ!~~っ!!!」
複数の手が伸びてくるので、愛撫の強弱も勿論全てが違う。
片方の乳首は爪で引っ掻く様に、もう片方はローションの滑りを生かしてヌルヌルと指の腹で擦る様に。
そして腋の下や脇腹は擽ったさをを加速させるローションの使い方。
ローターは一度止められて指の腹でクルクルと先端を擦る手に、竿全体に塗られて激しく上下に扱かれた。
誰の手か分からない程に沢山の人が俺一人に群がっていて、それを大好きな恋人が見つめてくれている。
(やば…っ、)
響くんに見られているという強い興奮を覚えながら、体を跳ねさせて暴れると、中に挿入された指が動き出した。
現在経過した時間は1分。
「はっ、あっ…!あぁっ!やぁっっ、!!」
激しく揺れるSMチェアに、熱すぎる体。何度も目の前がチカチカ光るが、意外にも絶頂は迎えていない。
近くに居る大好きな恋人からの刺激じゃないからか、理由は分からないが、ギリギリの所を保ちながら必死に悶えていると、響くんがこちらへ近付いてきた。
「あ、ぁ…っ…!来んなぁ、…っひぁ、」
今この人に何かを言われたら、されてしまえば。
俺は多分それだけでイッてしまう。
賞金を狙っているわけではないので、お客さん達に混ざる可能性は大いにある。
『可愛くていじめちゃった』
なんて言う可能性もある。
何ならそれが一番想像出来る。
来るな、余計な事すんな、と必死に目で訴えていると、俺が興奮する低いトーンの声が聞こえた。
「我慢出来て偉いね。あとでたっぷりと"ご褒美"あげるからね?…詩」
「!!…っ、」
期待させる様な言葉と、俺を呼ぶ声。
ゾゾゾッと背中に寒気が襲った瞬間、俺は盛大に欲を吐き出してしまった。
時間は3分が経った頃だった。
「く…っ、…」
ガクンと脱力すると、お客さんは吐き出した俺の欲を見つめながら嬉しそうに微笑んでいた。
「はぁ…はぁっ…は、…ぁ…」
俺が項垂れながら息を整えていると、お客さん達は一斉に拍手をし始めた。
「まさか響くんが協力してくれるとはねー」
「完全に響くん見てイッちゃったよねぇ」
「そんなに大好きなのー?」
それぞれが好き勝手言う中、俺はニヤニヤ笑う響くんを睨みつけた。
「てんめ…何、してんだばかぁぁぁぁ………っ」
「あれー?だっていじめて欲しそうにしてたからさ」
俺が睨みつけてもニヤけた顔をやめない響くんに吠えていると、5分が経ったのか司会者がゲームの終わりをアナウンスした。
「じゃあ詩ちゃん、残念だけどー5分間は好きにさせてもらうね?良かったら響くんも詩ちゃんの事攻めない?」
「え、いいんですか?じゃあ是非是非」
「いやいやあんた何参加しようとしてんだよ!!!」
「だって可愛い恋人を攻めたいと思うのは当然でしょ?」
響くんがそう言った瞬間、周りにいたお客さんが激しく興奮し始めた。
「えっ!?恋人?まじっ?」
「響くんも詩ちゃんの事好きだったの?」
「詩ちゃんだけがべた惚れだと思ってた!」
「あはは、僕の方が詩の事好きですよ~。告白したのも僕からですし。レベル3のショーが終わってから付き合う事になったんです。毎日可愛くて堪らないです」
仕事モードの響くんは照れる事を知らず、普段なら真っ赤になりそうな発言もサラリとかます。
「へぇぇ~すごいっ!なんか俺達まで嬉しいなぁ」
「二人が幸せなら俺達も幸せだしなー」
「じゃあ響くんの攻め見せてよ。大好きな響くんに攻められてトロトロになる詩ちゃんの事見たいなぁ」
「はい、もちろん」
嬉しそうに笑う響くんは、俺の前へやってきた。
今まで刺激していた人達は一旦刺激をやめて俺達二人を見つめている。
そこでお仕置きタイムのアナウンスがなされ、俺は何故かお客さん達ではなく響くんに攻められる展開になった。
「詩、俺以外にイカされてたね。ていうか感じないとか言ったのは誰?」
顔を近付いてきた響くんは頬を撫でながら俺にしか聞こえない音量でそう呟いた。ボソッと耳元で囁く声にゾクリと鳥肌が立ち、顔を背けようとすると逃げれない様に顎を持たれた。
「ぅ……っ、あんたが、……最後、に期待させる様な事、言ったから…ぁ、」
「ご褒美あげるって言葉に期待したの?」
顎を掴んだまま、優しく唇に触れられると、ついキスを望んでしまう。
強請る様に見上げると、唇をなぞっていた親指が口内へ侵入した。
「ん……」
「可愛い、口の中もあったかいね」
「んぅ……」
親指と人差し指で舌を摘まれてフニフニと揉まれると、キスの感触を思い出して表情が蕩けてしまう。
「可愛い~やっぱり響くんだとトロトロになるんだ」
「やっば…詩ちゃん、お口気持ち良いの?」
茶化してくるお客さんの声に恥ずかしくなったが、顎を解放してくれないので、恥ずかしい表情を晒す羽目になった。
「ふぁぁ……っ」
「口の中も好きだもんね。特にキスする時、ここが好きだよね?」
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