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第7話

 あれから一週間経った。雨霧は部屋探しをしているがなかなか見つからないことに焦っていたが、晴明は気にしないでいいよと優しく宥める。  その優しさに甘えてはいけないと言い聞かせてる日々。心の奥では本当はこの生活を続けたい自分もいる。  雨霧の複雑な気持ちが晴れないまま梅雨は明けた。 「明日お休みなので一緒にお出かけしませんか?」  「いいよ。仕事も大方片付いたし。何処行く?」 「それは出かける時までの秘密です」  悪戯っぽく微笑み秘密だという晴明に、雨霧の心臓は跳ねた。  一体何処に行くのだろう。明日になれば分かることだろうが、晴明が連れていく場所は当たりが多い。  遠足に行く子供みたいに楽しみにしていた。早く明日にならないかなと思いながら明日を待った。  朝になると隣に晴明が寝ていた。穏やかな表情で寝ているから起こすのには申し訳なく、起こさないように雨霧はベットから離れた後、コップに水を注いで飲んでいく。  冴えていく頭で考えていたのは今日は自分が朝ごはん作ろうかなと思った雨霧は、善は急げとばかりに冷蔵庫の中を確認する。  材料は問題なさそうだなと思い、必要なものを取り出せば料理をし始める。 「おはようございます……?」 「おはよう」 「ご飯作ってくださっていたのですか?」 「うん、いつも作ってくれるからお返しがしたいなと。迷惑だった?」 「いえ、とても嬉しいです。お手伝いしましょうか?」 「ううん、せっかくの休みだろ?ゆっくりしてよ」 「では、お言葉に甘えて」  元はといえば、晴明に恩返しがしたくてやっていることだ。手伝ってもらっては意味がない。  せっせと料理をする雨霧を微笑ましそうに見る晴明がいた。 「出来たー。……ちょっと失敗したけど」 「そうですか? 美味しそうですよ」  机にはスクランブルエッグを挟んだちょっと焼きすぎたホットサンドイッチと、豆苗を炒めたもの、ミネストローネが置かれた。  失敗した料理に美味しそうだと言ってくれる晴明に、雨霧はやっぱり優しいと感じながら自分の席に座る。 「いただきます」 「いただきます」 「うん、美味しいです。私は好きですよ」  晴明が頬張ると美味しいと言ってくれたのを確認し、雨霧は恐る恐るホットサンドイッチを頬張る。  卵とケチャップのお陰で焦げた味がしないから安堵の表情を浮かべると晴明も嬉しそうに笑った。いつまでも続けばいいのにと思うほど穏やかな時間が流れていた。

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