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第9話
「ねぇ、那央こっち向いて。ほら」
雅也は恥ずかしそうに横を向いている那央の唇にキスをしようとしたが、ギリギリのところでかわされてしまった。
那央は雅也の家のベッドの上にいた。
雅也は那央の細い首筋に舌を這わせた。そして着ているシャツのボタンを外した。あの時と同じ薄い青色の麻のシャツだ。胸元があらわになると手のひらで愛撫をして乳首をつまんだ。雅也はつまんだ乳首を吸おうとしたら那央が腹這いになった。シャツの袖を抜いて脱がすと、いつの間にか那央は素裸になっていた。雅也は白くて丸い小さな尻を鷲掴みすると、何度か揉んだ。そして左右に押し開くと未熟な襞が見えた。那央の腰を持ち上げて、雅也は猛々しく硬くなった股間のモノを那央の襞に突き入れようとした。那央は腰をくねらせる。雅也は動かないように那央の腰を持つ手に力を入れた。そしてもう一度挿れようと腰を動かすと未熟な襞は雅也の先端を柔らかく包み込んだ。硬い陰茎を根本まで押し込もうと那央の腰を引き寄せたその時…
雅也は目が覚めた。
「あぁ…何なんだ。リアル過ぎだろ…」
誰もいない部屋で独りごちた。時計を見ると起きる時間まで、まだ二時間以上もあった。
夕べ、蛍を見た那央は雅也の手を握ったままずっとうっとりとした表情をしていた。
「雅也さん…ありがとう…素敵だった」
「喜んでもらえてよかったよ」
「あの黒い鞄は発作の鞄って思ってしまったけど、雅也さんとこうして幸せな時間を過ごせるきっかけになって、本当は幸せの鞄だったんだ」
「そうだな」
雅也は握った手にぎゅっと力を入れると、那央も嬉しそうにその腕にしがみついた。
蛍の幻想的な雰囲気と那央の可愛らしさが相まってか、雅也は普段では考えられないような言動をしていた。
(俺は那央君とどうしたいんだ…)
そんな杞憂をよそに雅也の股間はパジャマ代わりの半パンの下で盛り上がっていた。このまま穏やかに眠れそうにもなく、雅也は指先をペロッと舐めると、いきり立っている相棒を鎮めにかかった。
(お前は、どうしても那央君を抱きたいんだな…)
雅也は男をおかずにしたのは人生で初めてだった。
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