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34 2度目のヒート※

いつものルーティンを終えて、部屋に戻る。 と、急に具合が悪くなった。 体がどんどん熱くなってふらつき、変な汗を掻く。 この感じ…、多分ヒートだ。 まさか、本当に今日来るなんて… 布団にくるまり、必死に耐えようとしたけれど、どうしたもダメだった。 あの日、頼嗣様が慰めてくれた中が疼く。 早く…、挿れて欲しい。 普段は絶対しないのに、自室と頼嗣様の部屋を繋ぐ扉に手をかける。 室内に漂う、彼の香りだけで俺の体は歓喜に震えた。 よろよろと這いつくばりながら、寝床を目指す。 丁寧に整えられたそこに俺は飛び込んだ。 息を吸うと、今朝までそこにいたからか、濃い匂いが感じられて、俺の後孔からトロリと蜜が溢れた。 「あっ…、はぁっ…、頼嗣様っ」 名前を呼びながら、下履きを乱雑に下ろし、俺は無心で濡れたそこに指を入れる。 全然足りない。 うつ伏せで腰を揺らすと、胸の飾りや反り返るほどの昂りが擦れて、後孔がより疼いた。 早く帰って来てほしい… かなりの醜態を晒しているのに、俺は何も考えられず、無心で自分を慰めた。 本当に長い時間だった。 もう、自分から出た体液で、頼嗣様の布団はとてもじゃないけど眠れるような状態ではない。 ガチャリとドアが開いて、そちらから濃い彼の香りを感じで振り返る。 驚いて立ち止まる頼嗣様がいた。 「あっ…、ううっ、おしょい! 早くぅ、頼嗣さまぁ」 見せつけるようにお尻を上げて、穴をぐちぐちと弄った。 「松乃っ」 頼嗣様が俺に走り寄り、抱きしめた。 その感触と香りの強さだけで、俺は「んんぅ」と声を漏らし、軽く絶頂した。 「そうか…、ヒートの時期だったか。 すまない、1人にしてしまって」 「んあ…、早く、欲しい」 謝罪とかどうでもいいから、早く、この熱を逃して欲しい。 俺が腰を揺らすと、頼嗣様は「くそ」と呟いて、性急に下履きを下ろし、ずっと欲しかったそれを奥に押し込んだ。 「あああああっ!?」 「くっ…」 1日近く焦らされていたそこは、欲しかった刺激に耐えきれず、俺は吐精しながら絶頂した。 長い長い絶頂に、一瞬、視界が白んだ。 「こんなにして、ずっと私を待っていたのか?」 「んぅぅ、あぅっ」 頼嗣様が何かを言っているが、俺は訳がわからず、律動に合わせて喘ぐばかり。 俺のペニスは壊れたように精液を垂れ流している。 律動のたびに、暗い色の寝具に白い跡をつける。 「あっ…、噛んでぇ〜、頼嗣しゃまっ 首、噛んでっ、番にしてぇ」 そして俺はまた、そう懇願した。 花ちゃんじゃなくて、俺を選んで。 番にして、もう婚約破棄なんかできないようにして欲しい。 それでも、俺がヒートを終えるまでの5日間、 俺の頸に噛み跡ができることはなかった。

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