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1回目の訓練③

「おはよー由麗。よく眠れた?めちゃくちゃ寝てたよ」 「………」 「意識失ってもいっぱいイッてたよー。それである程度媚薬抜けたんじゃないかな?」 「…まじで、死ね…」 「死なないよ」 「ひゃははぁぁぁ…っ」 「悪い言葉使う子にはこうするけどいいの?」 「やめてっやめてやめてっ」 こちょこちょと指を這わされるとそれだけで涙が出るまでになった体。 「はいはい、休憩ね」 「後どれくらい…」 「いや、びっくりするくらい寝てたからあと1時間だよ」 「え!」 俺がパァッと目を輝かせると、先輩は優しく微笑んで頭を撫でてくれた。ご都合主義も良い所だが俺は心からホッとした。 「もうクリアにしてあげるよ、よく頑張ったね。後は俺とのんびり過ごそ。可愛いからたまにくすぐるかもしれないけど」 「…まぁそれくらいなら」 すると先輩のスマホが鳴り響き、ディスプレイを見て先輩の顔が歪んだ。 「うげ、七彩だ。ちょっと待っててね由麗」  先輩はかなり嫌そうにしながら部屋から出ていってしまった。 「はぁぁ…終わった…まじで死ぬかと思った…」 今回初めて辛いと感じた地獄の訓練。これが敵なら俺は絶対に耐えれるはずがない。 心を引き締めて今後任務を全うしなければと考えていると、ガチャリと扉が開いた。 「あ、先輩おかえ……!?」 「どもー由麗ちー、あと一時間だね」 入ってきたのは七彩先輩だった。心から笑顔を浮かべている先輩の顔に恐怖を覚えた。 「柚木先輩は…?」 「上司の所に行ってるよー」 「はぁ…」 「俺と上司が仕組んだから、帰ってこないよー」 「へ…?」 「どーせあいつの事だから、訓練手加減したでしょ?」 「…いや、死ぬほどキツかったです」 「ふーん?」 何かを見透かしたように俺を見下ろす七彩はとても冷たい表情で、怖かった。 「あと一時間、俺が代わりに訓練すっから」 「え!?」 「上司がさぁ、由麗の訓練したいしたいって煩くてさ。だから絶対リタイアさせて来いってさ」 「そんなの酷すぎますよ!!」 「うん、ひどいよねぇ。でもさー柚木もズルしてたんじゃない?気絶したら目覚めるまで寝かせたりとかー、情報吐こうとしたら猿轡付けたりとかー」 何で知ってるんだと言いたくなる事を次々と語り出す七彩に冷や汗が出た。 「他の奴らの訓練も、柚木の時だけクリア率が高いから気にはなってたんだよね。だから上司がラスト一時間は俺に任せたってわけ。他の奴らは興味ないからクリアさせてたらしーけど、由麗は可愛いから変に目ェ付けられちゃったねざんねーん」 「やめ…て下さい…柚木先輩っ、柚木先輩!!助けてぇっ!!」 無駄だと分かっていても縋るようにさっきまで居た先輩の名前を呼んだ。 「だーから、柚木はこないよー。俺と上司が仕組んだって言ったろ?なぁ、柚木に何されたの?外まで声漏れてたけど?」 「近付くな!!」 「逃げれないくせにー」 ニヤニヤしながら俺の下半身に近付くと、自身を握られた。 「あ…ッやだっ…やだ!」 もう終わったと思って安堵していた俺には堪らない刺激。しかも相手はかなり容赦がないと噂の先輩。 「あーあ、敏感」 「ぁぁあッッ!!」 竿を上下に扱きながらニヤニヤ笑っていた。でもこの刺激ならきっと耐えられる。たった一時間だ。 「だめっ、だめっ!!」 本音ではあるが、かなり善がった演技を見せると満足そうに笑う七彩。 「柚木はバイブ使ってたんね。じゃあ俺はーオナホにしましょー」 傍に置かれていたバイブを確認しながら、持って来たオナホを見せつけると俺の自身に装着した。 「…な、っ」 「媚薬も中に入れといた。電動のオナホだし、結構イイみたいよー」 「ァァァァ!!」 今日何度叫んだか分からない程に、俺の喉は酷使した気がする。ビリビリと電気が走ったような刺激が自身に走ると、俺は絶叫した。 「ついでに柚木のバイブも入れとくわ。先端はオナホあるからちょっとズレるかもしんねーけどー」 容赦なくズブリとバイブを仕込まれるとグリグリと前立腺を擦られ、俺は絶頂した。勿論イキ過ぎて何も出ないので体の痙攣と感覚で絶頂を迎えたことを悟る。 「あーあー、涎垂らしちゃってー。そんなにいいの?」 「し、ね…っ、どっか、行けクソが…っ!」 「へぇ~……」 クスッと笑う七彩は俺の横へ来ると、躊躇いなく脇腹をくすぐり出した。 「──ッッ!?なにッ、ぁあっ!!」 「部屋から声漏れてたって言ったよね?聞こえてたんだよねー由麗の苦手な場所」 「ひゃははは!!やっ、だぁぁぁ!!」 「あと30分…耐えれるかな?」 「ひぁぁぁぁあッッ」 ガシャガシャと体をバタつかせるが、逃げれば逃げる程に刺激は強くなった。やばい、あとたった30分なのに、嫌だ。 「さーて。じゃあ訓練最終段階ね」 七彩がそう呟くと、一瞬で表情が変わり、ゾクリと背筋が凍るような感覚になった。本当に敵を拷問しているような雰囲気。 「お前の名前、教えて?そしたら全部やめてあげるからさ。もう限界だろ?」 「ふ…っゃ…やだっ、絶対…言わない!!」 「ふぅん。じゃあ…最後はここにしようか」 「え…っや、め…!!」 脇腹から腋へ指を移動させると、最後はちゅっとお臍へキスをされた。ヤバいと思った時にはもう遅くて。 「──ッッ!!」 唾液をたっぷり絡ませた舌をお臍の穴へ差し込まれると、大きく体が跳ねた。 「ゃぁぁぁッ、めてっ!!お願いっ!!やめっ、だ、めぇぇぇぇ!!」 「じゃあ名前教えて?」 尖らせた舌先で奥をクッと押されると身体中が悲鳴を上げた気がした。せっかく柚木先輩が加減してくれたのに、やっと終わると思ったのに。 色んな感情が入り混じる中、俺の体は解放だけを求めてしまった。 「ゆ、ゆまっ、です…!!全部っ、言うからぁ…っお願い、やめてぇぇぇぇ!!」 「はーい、おっけー。どんまい由麗ちー」 玩具も刺激も全てやめてもらえると、俺は大量な涙を流しながら項垂れた。 「あははは、ウケるわぁ。あと30分だったんだよ?」 ケタケタ意地悪く笑いながら俺の拘束を解くと、汗やら何やらで汚れた体を丁寧に綺麗にしてくれた。 「次は多分上司と俺と柚木の三人での攻めになると思うから楽しみにしててねー?まぁこの調子だと終わる事ないと思うから当分楽しめるわァ」 「…き、ちく…最低…消えろ…」 「あははははは!笑えるー」 俺が泣きながら睨み付けた瞬間、凄まじい勢いで扉が開いた。入ってきたのは鬼のように怒った柚木先輩。 「おい七彩っ」 「あ、柚木ーこの子ダメだったよーほら」 俺の事を支えながら、いつの間にか録音していたボイスレコーダーを聞かせると、俺以上に怒る柚木先輩。 「お前ふざけんなよ…わざと呼び出しやがって。それ貸せよ、壊すから」 「そんな事したらお前こそ処罰されちゃうよー?必死で可愛い後輩守ってたのに残念でーした」 「…お前、マジで鬼畜だな」 「元々は柚木が甘いから目付けられてこうなったんだろ?仲間のこと何度も傷つけたくないのは分かるけどーこれは訓練なんだから、さっ」 「…」 「とにかく、由麗は二回目決定したからー。次は一緒にたっぷり"正式な"訓練をしてやろうよ?んじゃ、コイツ頼むわ。俺上司に報告してくるー」 俺の事を柚木先輩に優しく預けると、ボイスレコーダーを持ったまま七彩は外へ出ていった。 静まり返った部屋で、俺はただただ呆然とするしかなかった。 end.

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