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第5話 この気まずい雰囲気は-5ー

この状態のまま1分ほど経った頃だろうか 志筑は壁についた手とは反対の手を 詩乃の頬に這わせた 「俺が男を教えてやるよ お前はただ身を委ねてればいい」 そうセクシーな低音を耳元で響かせ 詩乃の身体がぶるっと震えた それを見てもう一息だと詩乃の耳にキスをする 「……ち…………い……」 「ん?」 「気持ち悪い‼」 「え?」 予想外の言葉に志筑は固まった 今気持ち悪いと確かに聞こえた 今まで一度も言われたことのない言葉を 例え男でもここまですれば皆自分に落ちたのに 目の前の彼は気持ち悪いと言ってのけたのだ 「気持ち悪くて鳥肌立った ああ、もう無理‼ 悪いけどこれ、中に片づけといてくれます? 気分悪いんでもう帰ります」 そう言って荷物を志筑に預けこの場を立ち去った そして取り残された志筑は呆然と立ち尽くす まさか自分がフラれた?この俺が? 生まれて初めてフラれた そして初めて生まれたこの感情 「ははははは」 何これ……… すっげー 「腹立つ」

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