名前を呼ばれその声のする方に目を向けると 教室の外に志筑がいた ｢え？｣ 一番会いたくない彼がいきなり現れ 頭の中はパニックだ しかも学校一のモテ男に名前を呼ばれ 周りの目が一気に詩乃に集中する なんで彼がここにいるんだ？ いや、と言うかなんで自分を訊ねて来ているんだ？ 色んな疑問と注目を集めるこの状況に思考が停止する しかしそんな中でもお構いなしに志筑が 詩乃の所へやって来た ｢探したぞ、天桐詩乃｣ ｢え、えっと………はい？ 俺に何かご用で？｣ ヤバい……… 先日のこと根に持ってそうだ ｢今時間あるか？｣ ｢い、今ですか？ 今からお昼食べるんですけど………｣ これ以上関わりたくない 何とか断らなければと思うも中々そうはいかせてくれない ｢なら俺と食えばいい 来い!!｣ ｢え？｣ ｢おい!!｣ 有無を言わさず志筑は詩乃を強引に連れて教室から出ていった あまりに突然で遠坂も呆然と見ていたが ハッと我に返り引き留めようとするも 二人はあっという間に教室から消えていってしまった