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第16話 恋は盲目ー2ー
なんでこの男は再三自分の前に現れるのだろうか?
そして何故にここまで執着されているのだろうか?
「………先輩、何のつもりですか?」
あれほど嫌いと拒絶した筈なのだが
何故か再び呼び出される
流石に断ろうかと思ったが押しに押され
結局屋上に連れてこられたのだ
「俺、やっぱお前のこと好きだ
付き合いたい」
「いやだから、嫌いって言ってるじゃないですか」
「ああ、もうどうせ断られるだろうから
一旦付き合うのは置いといて
お前のことを知ろうと思う
だからまずは仲良くしようと思って
詩乃、俺の事は洸夜と呼んでくれ」
「そうですか、用はそれだけなら
俺もう行っていいですか?志筑先輩」
「……お前な」
詩乃と友好関係を築きたいと手を差し出した志筑だが下の名前すら呼んではくれず
あっさりと拒否られ相当嫌われてるんだと
ショックを受ける
志筑としては最大限歩み寄ったのだが
受け入れてくれる様子はなく頭を抱えた
さて、どうしたもんかと悩んでいると
詩乃を呼ぶ声がした
「天桐!!」
「遠坂、どうした?」
「どうもこうも、また連れてかれて
気にならないわけないだろ?
で、何これ?」
「いや、その………
なんか、告られて……」
「ああ、それは見てたから分かる
前も告られてるみたいだね?
聞いてなかったんだけど?」
ああ、見てたのか……
何も言わなかったのかなり怒ってるなコレ
詩乃は黙ってた事に罪悪感を感じつつも
どう言い訳しようか考える
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