美味しそうに詩乃の作った弁当を食べる遠坂 そして二人は楽しそうに談笑している と言っても遠坂が色々話題を振って詩乃がそれに答えたり 相槌を打ったりと詩乃から話しかけると言うのはほとんどない でも別に会話を嫌がってる様子はない 多分遠坂だからなのだろう 二人の間に入れる隙がない 何故？ 自分と何が違う？ ああ、こんなに悔しいのも初めて でも、だからこそ知りたくなる 昼休みももう少しで終わる すると詩乃がトイレに立った それを見届けた遠坂が志筑に話しかけてくる ｢あの先輩、先輩は天桐のどこが好きなんですか？｣ ｢あ？まぁ、最初は自分に一切靡かないのがムカついた それからなんで靡かないのか考えてるうちに 面白いって、しかも嫌いとまで言われて……… 多分今まで接したことのないタイプだから 知りたいと思うようになったんだろうな 思い通りにいかないのが余計惹きつけられる｣ ｢…………｣ 笑みを浮かべながら語る彼に本当に好きになったのかはいまいち定かではないが知りたいと言ったのは 本当なんだろうなと感じた 実際自分もそうだ 詩乃はどこか人と距離を置く 最初話しかけた時も目もあんまり合わせてはくれなかった それに詩乃はモテる でも告白されても毎回すごく困った顔をして 付き合おうという気配はなかった 別に恋人がいるわけでも好きな人がいるわけでもない ただ単に人が苦手なんだろうなと思った それとたまに寂しそうな顔をするから気になった まるで自分を見ているようで放って置けなくて……