それにしても詩乃の作る弁当は美味しそうだ 志筑は素早く詩乃の弁当に手を伸ばし オムライスを一口奪う ｢ちょ、何してんスか！？｣ ｢だって美味そうだったから…… うん、美味いな 俺にも作れよ｣ ｢お断りします 面倒なんで｣ 面倒ながら遠坂の分は作るのかとモヤモヤする お互い恋愛感情ないくせにここまで近いもんなのか？ ｢てか、こんな料理上手いなら作るの好きなんじゃないのか？ それともそんなに俺には作りたくない？｣ ｢まぁ、先輩のことが好きじゃないのはありますけど｣ ｢やっぱあるのか……｣ ｢俺は別に料理が好きではないですよ？ 仕方がないから作ってるだけです｣ ｢仕方なく？｣ ｢……………｣ 仕方がないと言う答えにどう言う意味かと聞いたが 詩乃から返事は無かった これ以上は踏み込まれたくないと言う事なのだろう だからもう何も聞けなくなってこの昼休みは 特に会話もなく終わってしまった なんだろう……… 少し知ろうとするとまた距離が出来てしまう 遠坂のように上手く行かない 遠坂の言うどの範囲までなら聞いていいのか難しい