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第26話 知りたいー6ー

優夜が自分を性的な意味で見ているのは知ってる 彼の見る目は自分に好意を向ける奴と同じ目だから けれど彼はあくまでも弟でそれ以上に思ったことなどない 勿論手を出すつもりはない 優夜は自分と同じように綺麗な顔をしていて モテるのだから自分のことなんていい加減 諦めて他に行けばいいのに だっていつまでも自分ばかりを見られていても 正直困るんだ それに今は詩乃の事しか考えられない もし優夜が詩乃の存在を知れば あいつの事だ、何かしてくるかもしれない けれど詩乃を手に入れたいと言う思いは捨てられない だから、優夜が何かしでかそうものなら……… 「…………何か考え事ですか? 珍しい……」 「え?」 いつものように昼休み詩乃と一緒にいると (と言うか勝手に付きまとっているだけなのだが) 何やら考え事をしている洸夜に訝しげに聞いてくる その様子にちょっと感動してしまった 全く興味を示さなかった詩乃が人が気づかないくらいの変化に気づいたのだから こう言うのもなんだが洸夜は心の内を読ませることなどほとんど無い 強いて言うならばずっと一緒にいる弟くらいだ なのに詩乃は気づいた なんだろう……… ほんの少しの事なのに凄く嬉しい 「………なんですか今度は? ニヤニヤして気持ち悪い」 「…………」 相変わらず口は悪いが

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