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番外編8
中休みを挟んで再度露天風呂に入り部屋に戻るといい感じに空腹を覚えた。
「夕食はどうするの?」
「予約してあるよ。宮崎牛」
「やった!」
「2人でゆったり食べたいから個室を予約した」
「贅沢だな〜。何時から?」
「19時から。だからもう行くよ」
立樹の言葉に返事をして部屋を出ると、エレベーターで再び1階へと降りていく。立樹にエスコートされて行ったのは鉄板焼きのお店だった。
「予約してある瀬名です」
「瀬名様。お待ちしておりました」
通された個室は思ったよりもゆったりしていた。いや、レストランの個室なんて初めてだから他のお店がどうかはわからないけれど。
「コース料理なんだけど、ライスを普通の白米とガーリックライスにしたよ。半分ずつ食べられるだろ」
「ガーリックライスいいね」
「あと、アルコールは頼んでないけど呑む? 呑むなら頼むけど」
「さっきこのフロアにバーあったし、チェックインしたクラブラウンジにもあったから、そこでゆっくり呑んでもいいんじゃない? 部屋でゆっくり飲むのもいいし」
「そっか。じゃあここではアルコールはやめておこう」
「うん」
クラブラウンジや部屋からなら外の景色を見ながらお酒を呑むことができる。って立樹はいいのか? そう訊くと悠が呑みたいところで呑もうと甘く微笑まれてしまった。その表情に俺は未だにときめく。いつか慣れることはあるんだろうか。
しばらくすると前菜が運ばれてくる。前菜はマグロのタルタルだった。海があるところのシーフードは新鮮で好きだ。
マグロにソースをかけただけのシンプルレシピだけど、素材のマグロが新鮮で美味しいのでごちゃごちゃしてないので良かった。
「美味しい〜」
「うん、美味いな」
「海の幸とお肉と両方食べれるなんて幸せだ」
ペロッとマグロを食べた後はオニオンスープだった。オニオンスープはどうっていうことのないスープだけど、とてもまろやかで上品な味だった。玉葱のなんとも言えない甘さが癖になりそうだった。
「こんなオニオンスープ作れないよな−」
立樹はスープを飲みながらそう言う。食事を食べに行って家でできないか考えるのは立樹の方だ。俺はほんとに食べる専門。
「難しい?」
「んー。玉葱も違うと思うんだよね。でも、家に帰ったら徹底的に煮込んでみようかな」
「俺、オニオンスープ好きだから続いても大丈夫だよ」
「じゃあ飲んで」
「うん」
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