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第5話 同居人

 翌朝、遅い時間に起き出して見ると、隣のベッドは空だった。  タケルはよく眠っている。頬にキスを一つ落としてベッドから出る。  リビングに行くと、キッチンの方でなんだか料理しているようだ。危なっかしい。 「冷蔵庫にある物でご飯作った。」  米を炊いたらしい。豆腐の味噌汁もある。目玉焼きに、何か付け合わせの野菜か? 「キャベツしかなかったから茹でて胡麻ドレッシングかけた。納豆もあったよ。  オレ、料理下手だ。」 「そんな事ない。立派な和食だ。」 一生懸命なのが、微笑ましい。  タケルが起きて来た。 「おはようございます。ミコトです。 しばらくお世話になります。」 「えっ?しばらく?」 俺は言葉に詰まった。 「今日だけじゃないのか?」 「オレ、ヤマトが気に入った。」 「図々しいなぁ、タケルどうする?」 「俺は別にいいよ。 同じベッドでヤマトと抱き合って眠るのも、中々良かったぞ。」 「え?勘弁してよ。 ミコト、ラブラブカップルの邪魔すんなよ。」 「うん、オレ、ソファでいいよ。」    2、3日なら、とタケルの同意で、何故か、ミコトも一緒に暮らす事になった。まさしく拾って来たネコ? 「家に帰らなくていいのか?」 「うん、オレ親離れして外の世界を見たいんだ。」 (今までどんな暮らしをしていたのか? いきなり、知らない奴と暮らせるだろうか?)

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