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第16話 ミコトは見ていた
寝室のドアが少し開いていて、ミコトが何故か泣きじゃくっている。
動けないヤマトに代わってタケルがミコトを寝室の中に招き入れた。
「人の寝室を覗くのは、失礼だろ。
どうしたんだ?」
背中をさすって宥めながらタケルが優しく訊いている。
「ごめんなさい、オレ、興味があって覗きました。最初は好奇心から、エッチな気持ちで覗いたんだけど・・」
二人のセックスがあまりにも感動的だった、と言うのだ。
「凄く綺麗だった。優しさに溢れていて、いたわりの気持ちが伝わって来た。
愛し合ってるんだな,って。」
まだ、しゃくり上げながら
「タケルがヤマトを大切に扱っていて羨ましかった。セックスって愛し合った相手とするものなんだ、って。」
感極まって泣いてしまった、という。
「そうか、おまえも愛する人とセックスしろよ。」
ミコトを部屋に帰して、風呂に入った。
バスタブに熱い湯を張ってヤマトを抱いて来た。
ヤマトは身長188cmでそれなりに身体もデカい。同じ身長ながら、筋肉質でマッチョなタケルはヤマトを軽々と持ち上げる。
首に抱きついて甘えられるのはタケルだけだ。風呂でも甲斐甲斐しく後始末をしてくれる。
うつ伏せに膝に乗り、後孔からローションを掻き出してくれる。緩くなった肛門をマッサージして戻るように。
すぐに戻るのだけど、終わったばかりの孔は、ぽっかり空いて罪悪感を抱かせるらしい。
「受け、の子は攻めの俺なんかより辛いと思うんだ。ごめんよ。手加減できなくなる。
ヤマトがセクシーだから。」
「でも、受け、の俺は、攻め、のタケルの何倍も気持ち良くして貰えるんだ。幸せだよ。」
(過去に誰か、いたんだな。 タケルが気を使うか弱い恋人が。)
ちょっと胸がチクチクする。
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