18 / 101
第18話 ミコトの願い
3人の暮らしにも慣れてきた。ヤマトはミコトに遠慮しないでタケルに甘える。時にはミコトに見せつけるように。
ヤマトはミコトが女の子と初体験を迎えて欲しいと思っているが、周りは野郎ばかりだ。
誤解していたかもしれない。ミコトはガキだから、初体験なんて焦ってないのか、と。
しかしミコトの胸に純愛を植え付けたのは、ヤマトとタケルだったらしい。
「オレ、恋人欲しいです。
ホストだから誘惑っぽいのは毎日あるけど。
でも、本気で好きになる人には出会えない。
ヤマトとタケルみたいなカップルが理想なんだ。」
(あーあ、俺は嫌だよ。)
何がって?タケルを貸すのは嫌だ、って言ってるの!
ミコトはタケルみたいな男っぽい人に抱かれたい、って言い出した。
(やっぱりそういう事になるんだ。
前にもそういう事があったんだよ。)
タケルはモテる。誰かに取られないようにヤマトはいつも必死だ。
タケルはバーなんかやってるから、毎日誘惑が、客の顔をして店に来る。ヤマトは気にしてないフリをする。束縛野郎にならないように。
その分帰って来たらタケルに甘える。知らない人が見たら、腰抜かすほどの、甘々のヤマトをタケルだけが知っている。タケルだけにはヤマトの全部を知って欲しい。何も秘密は無い。
(俺は後で自分の未熟さを思い知るんだけどね。
秘密のない人間は魅力もない,って事を。)
ヤマトが仕事から帰って来たら、寝室でタケルが眠っていた。そしてミコトが添い寝している。
ヤマトだってこの前、ミコトを胸に乗せて寝落ちしてた事がある。その後風呂で抜き合いまでしたんだ。
もしもタケルが同じ事をしたらちょっと嫌だ。
(立場を代えてシミュレーション出来ていなかった。俺のバカバカ!)
ともだちにシェアしよう!