（ただ添い寝している弟分、と軽く流すか？ それとも、二人のベッドに勝手に他人を入れたタケルと、図々しく入り込んでいるミコトに、俺の怒りをぶつけるべきか？） 　ヤマトらしくなかった。 （こんな事をいちいち気にする俺じゃねぇ！） 「あ、ヤマトお疲れ！ なんだこいつ？いつの間に寝てんだ？ 　昼寝するって言ってたな。一人で寝るのは寂しいってか？可愛いな。」 　タケルが知らないうちに添い寝されてたらしい。合意の上でタケルが呼んだ訳ではなかった。 優しく起こして 「いつも一人で寝てるだろ。 昼寝するなら自分の部屋に行けよ。」 「腹減ってないか？何か食べに行こう。 腹減るとヤマトは機嫌悪くなるからな。」 そう言って頭を撫でてくれた。 「ミコトは、何食べたい？ 近くの店でいいか？出前にする？ ウーバーに電話？」 「オレ、いいよ。 ヤマトとタケルで行って来なよ。」 「寂しい事言うなよ。 タケルがミコトの頭も撫でる。 （俺はまだ、ただいまのキス、してないぞ！ こんな事、気にする俺じゃなかったのに、今は何もかもに腹が立つ。心が波立つ。） 近所の焼肉屋に行った。 （ガッツリ肉でも食ってやる！）