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第43話 ホスト 3

 凍夜はこの頃何をしても楽しくない。あんなに毎日客とアフターで遊び歩いていたのに。  酒を飲み、アフターで女を口説く。朝まで飲み明かしてそのままホテルか女の部屋。  セックス三昧の日々。毎日取っ替え引っ替えする。違う相手はそれなりに興味深い事だった。  愛を欲しがる女を、深みにハマらないように手玉に取り、ホストの仕事に繋げる。  誰も本気で愛さない。いろんな女を脱がせるのは楽しい。みんな微妙に違う身体。  乳房の形も性器の具合も、少しずつ違うのが面白かった。  凍夜はセックスが好きなんだと思う。自分でも、強いと思う。  小さい頃から筋肉を鍛えて、それでも身長が伸びたのは幸いだった。  女の身体は一回で飽きる。 愛ってなんだ?セックスで気持ち良ければいいじゃないか。  それが突然色褪せてしまった。昔から欲しかった車が手に入った。女は乗せない。  車を愛してる凍夜は、車と二人だけでいたい。 誰にも邪魔されたくない。  クルマが人生の伴侶だ。 それを知っているのはディーラーのキースだけ。  キースがゲイなのも凍夜は知っている。でも、お互いに、そこには触れない。  プラトニックなキースの思いは、邪魔にはならない。そうやって安全な距離を保ってきた。 「凍夜、もう自分に正直になれよ。 おまえの店の新人、気になるんだろ? 女は飽きたか?」 キースは凍夜をよくわかっている。  そう、何をやっても、ミコトに繋げてしまう。 「何で俺があんな小僧に・・・」 この頃は車で通勤だ。あの部屋からだと片道でも2.3時間かかる。そしてまた2.3時間かけて帰る。

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