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第45話 二人だけでも
「あの・・
ミコトと一緒に暮らしたいんです。」
ヤマトとタケルが家にいる火曜日の午後。
凍夜は、彼らのマンションに乗り込んできた。
いきなりの直球でプロポーズ。赤い100本の薔薇。そしてカルチエの指輪。ベタな演出。
凍夜だって、もちろん初めての経験だ。緊張しまくり。
「ミコトは了解してるの?」
3人がミコトを見る。
「オレ、オレ、、」
ミコトは嬉しくて泣いてしまった。凍夜に質問は山ほどある。でも、返事は一つ。
「うん、凍夜と行く。」
抱きしめられた。
ディアボラを三日間休んで、ふたり。
部屋から一歩も出ないで抱き合っていた。
ずっとベッドの中で、凍夜に愛撫されて怖さは大分克服出来てきた。
「ミコトはずっと俺を見てろ。キスする時も、目を閉じないで。俺がいつもそばにいるよ。」
ミコトは目を瞑らない。目を瞑ると怖くなる。
凍夜は焦らず一つ一つゆっくりと身体を馴染ませてきた。手を繋いで眠る。
頭を支えられてするくちづけ。
「オレ、凍夜としたい。最後までしたい。
怖くないよ。気持ち悪くない。
でもどうしたらいいの?
ヤマトと抜き合いはした事がある。
お互いの身体を触って、射精の競走。」
その先へ進めない。
凍夜はもちろん男を知っている。数は少ないが、好奇心から男と寝た事はある。
年上の経験豊富な受け。愛し方を教えられた。
凍夜は、自分は攻め、以外考えられない。
その相手は、濡れない男の愛し方を事細かに教えてくれた。
とにかく傷付けてはいけない。優しく優しく解すのだ。
今、ミコトに実践する時が来た。
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