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第51話 ラテンの夜 3

 セクシーな音楽に合わせて凍夜が踊る。軽い調子の音楽に合わせて、セクシーに腰を振る。  パートナーのキースと息がピッタリだ。 「何?これ?カッコいい! 凍夜がセクシーでキースも色っぽい。 何だ、この二人⁈」  まるで、セックスしているみたいに見つめ合って、触れそうで触れない。リズムに乗って踊る。  気がつくともうフロアには、凍夜とキースの二人しかいない。大勢いたお客さん達は、フロアの外から取り囲むように見ている。凄い歓声。  明らかにプエルトリカンの女性が、パートナーの男性に抱きついて 「アタシ、もう濡れちゃったよ。 早く帰って抱いて。」 と言っている。本当にそんな感じだ。  女は男を、男は女を、欲しくなってしまう、そんな二人のダンスだった。 もちろん男が男を、女が女を、だって有りだ。  客席に戻って来た二人は 「ふぅーっ、疲れた。 ミコト、俺のダンスどうだった?」 「凄いセクシーだった。 キースも。二人ともすごいね。」  凍夜にハグされて、ミコトは少しホッとした。 汗ばんだ凍夜の匂い。 「大好き。素敵すぎて誰かに盗られそう!」 「馬鹿だな。おまえが欲しくて踊ったんだよ。 いつになったら、本当に俺のものに出来るかな。」  二人はまだ、完全には、結ばれていないのだ。 キースが 「アッチイー!」 とTシャツを捲り上げて、裸の胸に手を入れている。隣に、いかにも、な男がピッタリくっついている。キースの腕を撫で回している。 「やめろよ、くすぐったいよ。 あ、こいつは友達のショーン・ロビンズ。」 抱きつかれて 「俺はおまえじゃ勃たないからな。 期待すんなよ。」 「冷たいね、キース。 凍夜は結婚したんでしょ。キース、フラれたんだよ。アタシのものになっちゃいな。」  よく見るとショーン・ロビンズは凄い美少年だった。16才くらいに見える。

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