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第52話 ディアボラ

 今夜はキースとショーンが同伴してくれる事になった。  ヤンチャな若い奴らが、高級ホストクラブに雪崩れ込んで来たような、場違い感がある。 「いらっしゃいませ。 凍夜さん、お飲み物はいかがしますか?」 また、慣れていない様子のジンとジミーがヘルプについた。 「内輪の祝いだから、やっぱシャンパンかな。」 キースが口を滑らす。 「何かのお祝いなんですか?」 「あ、いや、プライベートのね。 みんなで飲むからマグナムボトルで。 ドンペリでいいか?」 「あと、苺が欲しいから何かフルーツ盛り。」 ショーンが言った。 「シャンパンには苺、でしょ。」 美形の男たちがワイワイ楽しそうで、客がみんなこっちを見ている。しばらく盛り上がった。  さすが、凍夜の接客は、盛り上げても、下品にならない。他の客の迷惑にならないように抑えるポイントが絶妙だ。  凪が入って来た。もちろん凍夜をご指名だ。 凪の席に来て、 「今夜は友達が来てるんだ。 紹介したいけど、合流してもいいかい?」 さりげなく凪の肩を抱いて、耳にキスした。  凪は、友達がかっこいい男ばかりだし、自分を特別だ、と紹介してくれるなら、と考えた。 「後で送ってくれるなら、いいわよ。 なんて紹介するの?私の事。」 「もちろん、俺の今一番大事な女、だってね。 身体の相性もいいって言っとく?」 「バカ。」 凍夜にとって一番の太客の女、って事を言ってるだけなのだが、凪は有頂天だ。  キースたちの席に来た。

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