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第53話 友達
「この金髪野郎は俺の子供の頃からの友達。
キース。一緒にバレエをやってたライバルだった。」
キースが
「高校の頃、一緒にアメリカにダンス留学する予定だったけど、凍夜がドタキャンしたんだ。」
それでキースも辞めたんだそうだ。
二人とも日本のダンス界の期待の若者だったそうだ。
「キースまで辞める必要無かったんだよ。」
凍夜はいつも残念に思って来た。
「だって、親父が日本の代理店任されて、手伝えって勉強中だったからね。
自動車整備の勉強とか、A級ライセンス取って運転技術も猛特訓させられた。A級ライセンスはわりと簡単に取れるけど、レースとかめっちゃ怖かった。テストドライバーとか、一応何でも一通りやらされた。
スーパーカーを日本にどう売り込むか?
才能もないバレエに使う時間は無かった。
凍夜が辞めちゃって、いいタイミングだった。」
「じゃあ、今は車屋さん?
スーパーカー売ってるの?」
「そう、買ってくれますか?カタログいる?
そうだ、運転免許もってるの?」
矢継ぎ早の質問に
「いいの。凍夜が乗ってるのがあるんでしょ。
それに乗るわ。助手席に。」
(凍夜の横はオレの指定席だ。)
ミコトは、凪が、少し嫌いになった。
キースについて来たショーンが退屈そうに、ジンとジミーに絡み始めた。
「ねぇ、スーパーカーとか。
ホストってそんなに儲かるの?
アタシにも出来そう?」
「オカマは無理!」
キースがひどい言い方をした。
「ひどぉーい。
じゃあ、オカマ辞めるよ。」
急に野太い声で、男っぽくなった。
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