ショーンが凪と結婚して赤ん坊が生まれた事は、凍夜とミコトにも衝撃だった。 　特にミコトは打ちのめされた。 　凍夜の首に抱きついて 「オレ、子供産めない。」 当たり前の事を言う。その気持ちを考えるとミコトがいじらしい。 「バカだなぁ、俺、子供嫌いなんだ。 可愛がるのはミコトだけで充分。」 凍夜は本気でそう思っている。 　キースが訪ねてきた。 「聞いたか？ ショーンの事。 僕は奴の気がしれないよ。 子供なんていらないなぁ。」 ショーンは親のコネで企業に就職したらしい。 「つまんねぇ奴。 人生の墓場を、この若さで選ぶなんてなぁ。」 「そう捨てたもんじゃないぞ。 ショーンは幸せなんだろう？」 　凍夜が言った。ミコトは 「キースはどう思う？ 子供は欲しくない？」 「ああ、まっぴらだ。」 　ゲイのカップルが必ずぶつかる壁か。 凍夜は元々ゲイの自覚はない。ただミコトが欲しいだけだ。 「ミコトがいれば世界は成立するんだ。」 「出た！凍夜の大言壮語！」 　キースは相変わらず淡々としている。 キースの恋愛事情は、見えてこない。イケメンでスーパーカーを乗り回して、超モテモテなのに、女性には、丁寧だけど冷たい。