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第99話 ミコトと凍夜

 あのマンションに帰って来た。 凍夜の顔を見つめてしまう。 「何?どうした?」  ミコトはいつも不思議に思うのだ。 「来いよ。」  ソファに座ってミコトを呼ぶ。 いつも『俺様』な凍夜。 おいで、じゃなくて、来いよ、なのだ。 「凍夜って偉そうだね。 オレに、頼んでるんじゃなくて、命令するんだ。」 「あ、そうか、そうだね、ごめん。」 「違うの。凍夜には、来いよ、って言われるのがいいんだ。なんか男っぽくて。」  凍夜が立ち上がってオレを捕まえた。その大きな手で捉えられて、抱きしめられる。 (ああ、オレ凍夜が好きだ。 この強い腕で捕まえていて欲しい。)  凍夜の胸にすっぽり包まれて、ソファに雪崩れ込む。  身動き出来ないほど、抱きしめられて、包まれて、この安心感は何だろう?  何とか身体を起こして 「ふう、凍夜のその顔で、抱きしめられたら、なにも考えられなくなる。」 「セックスだけじゃなくて、こうしてミコトと触れ合ってるのが好きなんだよ。」 「うん、オレも。」  それでも日々の雑用を二人でこなしていくのは、とても楽しい。  車で少し遠くの大きなスーパーマーケットに買い物に行くと、みんなが見てくる。  目立つ車?目立つ男? 凍夜は目立つのが好きなのか?  聞いてみた。 「そうだな。もうガキっぽいのはやめよう。 ランボルギーニは卒業だ。  今度は何がいい?車。」 「そうだね。悪目立ちしたくない。 車は変えられるけど、凍夜の顔は変えられないなぁ。」 「ミコトの可愛い顔も変えられないな。」 「え?えーっ、それはないよ。」 「そう言えばミコトってたまにメガネかけてるよな。眼、悪いの?  俺には、ミコトのメガネ姿が萌え!だな。」

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