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第102話 実家(?)
ホストを辞めた凍夜と今も続けているミコト。
何故か凍夜は辞めろとは言わない。
キースが、バンドをやる気になっている。
「爆音でやりたい。今さらだけど。
ロックがやりたい。1970年代の。」
「生まれる前の音楽だろう?
どうしてそんなに惹かれるんだ?」
「うん、ヒッピーとか、ラブアンドピースとか、
すごくいい。愛こそ全て、みたいな。」
キースには高校生の頃から、好きな人がいる。
その人が好きなのがブルース。全てのロックの源。だから好きになったんだって。
興味を持って聞いてるうちにのめり込んだという。
「うん、問題山積だけど、メンバーの当てはあるのか?」
「凍夜がボーカルだよ。
声出てるでしょ。スターだからね。」
「俺はそう言うの嫌いなのに。」
凍夜との暮らしも落ち着いて来たのでヤマトとタケルの所に挨拶に行こう、と凍夜から言い出した。ミコトにとっても魂の親、だ。
「ただいま!」
「おお、実家に里帰りか?」
ヤマトが嬉しそうにハグしてくれた。
「まだ、ディアボラ辞めてないんだって?
凍夜、どう言うつもりだよ。」
「あ、俺が勝手に辞めないだけなんだ。
凍夜はいつも辞めろって言ってる。」
「心配かけてすみません。」
凍夜が小さくなっている。
「凍夜は相変わらずいい男だなぁ。
ウチのモデルやらない?カッコいいリーフレット出そうと言ってるんだよ。小鉄さんが。」
「いやぁ、モデルとか苦手なんで。」
「久しぶりにミコトと酒飲もうか?
ウチの店に行くか?」
タケルは『テン・ノット・クラブ』というバーをやっている。
「まずは、飯だよな、焼肉。」
「あ、根に持ってるでしょ、ヤマト。」
「前にタケルを取られるかと心配したんだよ。」
「タケルはパパなんだから。
ヤマトはママだし。」
「そんなことがあったの?」
凍夜が驚いている。
「俺、正式にプロポーズしましたよね。」
「ああ、真っ白なスーツで、百本の薔薇の花束、
カッコ良すぎだ。
やっぱり主役の貫禄だな。」
4人で焼肉を食べに行って、その後タケルの店に行った。
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