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第105話 マダムヒロコ
今夜はマダムヒロコと飲み明かす。
「シャンパンは飽きたわね。
ブランデーがいいわ。リシャール、
マスター、ヘネシーリシャール、置いてる?」
「ありますよ。マダム、どうやって召し上がりますか?」
「普通にブランデーグラスで。2、3本有るかしら。ボトル、みんなで飲みましょ。」
グラスが配られた。滅多に置いてない高級ブランデーだ。
「オレ、氷を入れて飲みたい。」
レオンとミコトはロックで飲む。
手の中で温めながら、グラスを口に運ぶ凍夜がセクシーだ。
「マスターも召し上がれ。」
「あ、頂きます。」
傑もブランデーグラスを包み込む手が大きくて素敵だ。
(僕、こんな男に毎日抱かれてるんだ。)
レオンが人知れず赤くなっている。
「凍夜とは後一歩でセックスする事になったのに惜しい事をしたわ。」
マダムヒロコが突然言い出す。齢80才になるマダムの声にその場が緊張した。ミコトが
「そんな事があったんだ。オレ、ジェラシーだな。マダム、凍夜を取らないで。」
「ほほほ、凍夜はとても礼儀正しかったわ。
私を抱かせてって言ったのよ。
恥をかかせないように,でしょうけど嬉しかったのよ。」
「マダムヒロコ、俺、今は嫁がいます。残念です。あの時、抱かせて貰えばよかった。」
「こんなおばあちゃんにありがと。いい男ね。」
「マダムヒロコ、セクシーですよ、今でも。
あの世界的文豪が、あなたに心奪われたのですから。」
「その後で美少年に取られちゃったけどね。」
マダムは少し、酔ったみたいで、赤裸々な思い出を語った。
「ミコトちゃんみたいな美少年。」
「オレ、もう少年とは言えないか,と。」
マダムにすりっと頬を撫でられた。
「可愛いわ。こんな人に取られてしまうのは
仕方ないわね。」
ミコトとレオンが並ぶと花が咲いたようだ。
「男の方が美しいわね。
比べるものじゃあないけど、女は狡さが顔に出るわ。」
「あ、マダム、今
世界中の女性を敵に回したよ。」
「ミコトちゃん面白い事いうわね。」
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