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7-4.※

 ロキは背中にヒヤリと汗が浮かび、それと同時に臀部に僅かな湿り気を感じる。  ヴァクに抱かれる気は毛頭ない。それなのに、何故か薬を盛られた時の様に体が犯されることを求めているのだ。  ロキは戸惑い。身を捩った。  しかし、巨人族である屈強なヴァクの腕からは逃れられるわけがない。  ヴァクはロキの首筋を吸ったり舐めたりしながら、ロキの腰に滑らせた手をシャツの裾から入れ込んだ。 「あっ……」  ヴァクの手が、腰の皮膚を直接撫でる。たったそれだけのことで、ロキの体は僅かな快感を拾い集め、小さく跳ね上がった。  ヴァクはそれに気をよくしたのか、指先でロキの胸の突起を嬲り始めた。引っ掻く様に小刻みにされると、ロキはその部分だけでなく、下半身にまでむず痒さを感じてしまう。  やめてほしいと理性が訴え、ヴァクの腕を掴むが、ほとんど抵抗にはなっていない。  もう一方のヴァクの手が、ロキのベルトを外し、ファスナーを下げた。 「ぁっ、ヴァク様、待って……んぅっ……」  下着に入り込んできた大きく熱い手はすっぽりとロキの性器を包み込んだ。押し潰さないようにと抑えているのがわかるほどに、ゆるゆるとした力で撫でられて、ロキはたまらず息を漏らした。  すでにロキの先端は蜜を垂らしていたようだ、ヴァクの手の動きに合わせてくちゅくちゅという卑猥な音が船室に響き渡っている。 「あっ、んぅっ……イッ、ぁぁ!」  乳首と性器を同時に嬲られ、ロキはあっという間に達してしまった。先端から溢れた白濁を手のひらに受け止めたヴァクは、躊躇いもなく手首に伝ったそれを舐めた。 「匂いも味も最高だな。悪いが、今夜は我慢してやれねぇ」 「あっ!」  後ろから抱え込まれたまま下半身の衣服をずらされて、股の間に強引にヴァクの手が入り込む、ロキは慌てて身を捩った。しかし、ヴァクの腕がロキの腰を後ろから強く抱え込み身動きが取れない。指先がくちゅりと音を鳴らしてロキの後孔に入り込んだ。 「んんっ……!」 「おい、なんだよこれ。お前、男のくせにここ濡れんのか?」  ヴァクが言ったその言葉通り、ロキの臀部は本能的な興奮でじっとりと濡れていた。それはおそらくロキがオメガという存在だからで、普通の男にはありえない現象だ。 「ぁっ、ぁっ……んっ……」  確かめるかのようにヴァクの指がロキの中を動いてる。内壁をかかれる度にロキは息を弾ませ、さらに内部を体液が濡らしていった。 「最高だなお前。今夜はぜってぇ犯す」  ヴァクに耳元で囁かれ、ロキの腹の奥がギュッと閉まる。まるで求めるみたいなその動きに、ヴァクはクスリと笑うと、もう一本指を増やした。 「あっ……んっぅっ!」  内部のしこりを嬲られ、ロキは堪えるように眉を寄せる。  体が悦び更なる快感を求めていた。背中に当たるヴァクの昂りで早く貫いて欲しい。しかしそれは自分の意思ではないとも思う。オメガという性に、思考まで侵食されているのだ。  このままでは本当にヴァクの子を孕んでしまうのではないかと、ロキは震えた。そんなことは望んでいない。巨人族の子も神の子も、ロキは産む気などないのだ。  はやくこの腕から逃れなければ。  喉奥から必死に「やめてくれ」とロキが絞り出したその時だった。 「な、なんだっ⁈」  突然船体が大きく揺れて、棚の上の水差しや花瓶が床に落ちて砕けた。大波に揺らされたのかと思ったが、直後何かに衝突するような低い音を立てて、また船体が激しく揺れた。

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