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14-7.※

 フェンはロキを口内に迎え入れた。舌を絡め、唇を深く合わせると胸の奥が堪らなく震えた。  フェンの熱い手のひらが、ロキのシャツの裾をまくり、腰を滑って背中の皮膚を辿っていく。もっと触れて欲しくて、ロキは自らシャツのボタンを外していった。 「これ痛い?」  フェンはロキの肩に口付けしながらそう聞いた。先ほど森で喧嘩をした時の噛み跡が残っているのだ。少しずつ上がるロキの体温で、傷跡が赤く浮かび上がっている。 「痛くないよ。血出るほどじゃなかったし、レイヤが消毒してくれたから大丈夫」  ロキはそう言いながら、フェンの後頭部に手を回して、指の間に白い髪を絡めた。 「ごめんね」 「いや、俺も叩いてごめん」  直接触れたくて、ロキはフェンのシャツにも手を伸ばした。ボタンを外し襟元を掻き分け、露わになった皮膚に縋り付くように体を寄せる。  体温と鼓動が混ざり合って、心地よいのにひどく切ない。その感情と共に、ロキの腹の奥がだんだんと濡れていく。  フェンがロキの下履きの背後に手を滑り込ませ、双丘の間に指を入れる。孔の入り口を撫でて、ロキの興奮を確かめたようだ。 「濡れてる」 「うん」 「ロキ、気持ちいのしていい?」 「うん」  ロキはフェンの胸元で頷いた。  フェンの手のひらが尻を撫で指先が一本、ゆっくりとヒダを割った。内壁を掻き分ける感覚に、ロキは小さく息を漏らした。 「フェンのも触っていい?」 「うん、触って?」  ロキがフェンの下履きの前をくつろげると、衣服の中で押さえつけられていたフェンの性器が立ち上がった。ロキがそれに撫でるように触れると、フェンは「もっとちゃんと触って」とロキの耳元でねだりながら、内部をなぞる指をさらに奥まで入れ込んできた。 「んっ……」  ロキは無意識に背中を逸らして顎を上向ける。  手元は言われるがまま、フェンの性器を握った。そして上下に扱くと少し紅潮したフェンの表情がこちらを見下ろし愛しげに笑みを作る。 「ふっぁっ……」  もう一本指を入れ込まれ、ロキは甘い吐息を漏らした。内部からむず痒い感覚が込み上げて、性器が熱をはらんで膨らんでいく。フェンがもう一方の手でロキの下履きを下ろすと、迫り上がったロキの昂りが露わになる。  腰を寄せ、繊細な部分を合わせる。二人分を握ったロキの両手にフェンの片手が重なった。こすり合わせると、お互いの先走りが音を鳴らす。 「んっ……フェン……きもちっ……」 「うん、俺も」 「んっあっ……」 「ねぇロキ、中のここ触るとギュッてなるね?」 「ふっあ、んっ……!」 「ここ気持ちっ?」 「んっ……」 「可愛いロキ」  ちゅっと音を鳴らして、フェンがロキの額に口付ける。  腹の内側のたまらない部分と性器を同時に刺激され、ロキは必死に声を抑えて、フェンの胸元に唇を押し付けた。 「ねえ、ロキの中入っていい?」  フェンがロキの中から指を引き抜き、肩を押した。ロキは仰向けに寝かされ下半身の衣服を脱がされた。その上にフェンが覆い被さる。  星あかりに溶けそうな薄いブルーの瞳がこちらを見下ろし、白い肌には恍惚と赤みが刺している。首筋、胸元、腹部に腰骨を辿ると、その先に猛々しく性器が隆起していた。それが欲しくてたまらないのは、自分がオメガという存在だからというだけではないはずだとロキは思う。

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