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その後の着替える時も、いつものように夫が着替えさせようとして、しかし、二人は母親のことを着替えさせたがり、それを思わず止め、それがむくれてしまったりと一悶着があり、辟易しつつ、ようやく遅めの朝食を摂ることとなった。
もう食べるよりも横になりたいと思うほどであったが、その際に起きた出来事でそんなことを考える余地もなかった。
それは、たまらずほぅとため息を吐いた時のことだった。
「「おひざにのりたい!!」」
揃って葵人の膝に乗ってきた。
葵人の両側で大人しく座っていい子達だと思っていたのに。
「急にどうしたのです」
「のりたい!」
「まーがのりたいのっ!」
「ほらほら、どちらも片膝に乗ろうとするから喧嘩になるのでしょ」
真を抱っこし、空いているもう片膝の上に乗せ、「あーものせて!」とせがむ新も喧嘩していた方に乗せてあげた。
喧嘩して仲良くして忙しい子達。
機嫌が直ったらしい二人はお互いの顔を見合わせてにこにこ笑うのを、それぞれを頭を撫でて苦笑を漏らした。
そうしている間に並べられた食事に手をつけようとした時。
「おかーさま、あーんして!」
「まーも!」
ほぼ同時におねだりされてしまった。
「それはいいですけど⋯⋯」とちらりとただ黙って見ていた碧人の方を向く。
「碧人さん手伝って」
「葵の頼みなら」
それはまあいい笑顔で引き受けてくれた。
素直に引き受けてくれるとは思わなかったが、新の分の食事をスプーンで掬い、「ほら、あーん」と口元に運ぶところを見ていた。──が。
「やっ! おかーさまがいい!」
「⋯⋯ぁ」
その思わず声を上げたのはどちらだったか。
泣き出す新の手が当たり、掬ったものが碧人の着物を汚してしまったのだ。
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