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「あぁ⋯⋯ごめんなさい⋯⋯」 「どうして、葵が謝るの?」 「それ、は⋯⋯」 「ほら、新。大好きなお母さまが新の代わりに謝ったよ。本当は新が悪いことをしたのだから、謝らないといけないんだよ?」 「⋯⋯んぅー⋯⋯っ」 素直に謝りたいのか、何故か抵抗あるようなそんな唸り声を上げて、涙をいっぱい溜め込んだ目で碧人のことを見つめていた。 先ほどまで「まーもあーんして」と人の着物を引っ張ってまでせがむ真も、不穏な空気を察してか、黙って様子を伺っていた。 「⋯⋯新、お父さまにごめんなさいは?」 「ぅ⋯⋯おかーさまもいっしょに、いって⋯⋯?」 一目だとただ微笑んでいるように見える碧人の表情。 しかし、子ども特有の感じ取るものか、それとも自分が悪いことを自覚しているのか、何らかの不穏な空気を察して急に怖くなった様子の新がこちらに助けを求めるような目を向けてきた。 しょうがない、と優しい笑みで愛しい頭をひと撫でした。 「いいですよ。じゃあ、せーので」 「うん⋯⋯」 「せーの」 「お父:(とー)さま、ごめんなさい」 母親の方にひっつき、顔だけ向ける形で恐る恐ると言った声音で新と共に謝罪を口にする。 その時、新がぽろぽろと泣き出すのを「よしよし〜、あらた、いいこいいこ」と真が撫でてきたのを少々驚きつつも、「真、ありがとうございます。新、えらいですね」と二人のことを撫でていた。 「新、いいよ。お父さまはもう怒ってないからね」 泣くことはないのに、と微笑んだ夫は袖で拭ってあげていた。 新のことはひとまず大丈夫そうだとほっと胸を撫で下ろした。 あとは──。

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