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18.
そんな時、視線を感じた。
それは間近でものすごく、もっというと二人分の視線だ。
「え、え⋯⋯っと、二人ともどうしたのですか⋯⋯?」
「おとーさま、おかーさま、あかちゃんみたい!」
「⋯⋯え?」
「あーんだって! あーん!」
「あーん!」
真がスプーンを持っている手つきで新に手を出すと、新がいっぱいに口を開けて食べる真似をしていた。
二人だって、碧人とそれぞれ食べさせてもらっていたのに、それはそれ、これはこれというものか。
「おかーさまも、おとーさまにたべて、うれしそー!」
「そう、ですか⋯⋯?」
「まーたちもあーんしたら、うれしー?」
「それは、まあ⋯⋯」
「じゃあ、すぷーん!」
「すぷーん、ほしー!」
葵人の腕の中で「ほしー」とぴょんぴょんする二人に、碧人は新に、葵人は真にそれぞれ渡した。
膝からほぼ同時に下りた二人は、自分達用に用意された食事でまだ上手くできない手つきで、ようやく掬えたようで歓喜の声を上げていた。
その様子に愛おしいと頬を緩ませていると、
「「はい、あーん!」」
と、それはもうにこにこ顔で差し出してきた。
お約束だと思うほど、どちらも母親である葵人に向けて。
「あら、お父さまには?」
「「おかーさまがいい!!」」
迷う素振りもなくはっきりという小さな子達に、「あぁ、そうなんですか⋯⋯」となんとも言えない声音を出した。
「まあ、二人はお母さまのことが大好きだもんね。⋯⋯僕には及ばないけど」
密かに呟いた言葉に、何を子ども達と張り合っているんだがと呆れていたが、「あーん!」と急かす二人に煽られて、それぞれ口に運んだ。
「「おいしー?」」
互いに反対側に小首を傾げて訊いてくる。
その問いに、ふっと笑みを浮かべてこう言った。
「ええ、美味しいですよ」
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