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30.※
すると、碧人はふっと笑みを深める。
「そう。なら、その柱に手をついて、僕にお尻を向ける姿勢になって」
え、という口の形のまま固まってしまった。
「⋯⋯ここで、するの⋯⋯?」
「なに? お仕置きをして欲しいんじゃなかったの?」
「欲しい、けど⋯⋯」
「葵が声を我慢すれば気づかれないと思うよ」
「そういう問題じゃ⋯⋯っ!」
呆気なく取られた両手を頭上に持ってかれ、もう片手は下半身に迫ってきた。
身体のラインに沿うように碧人の手が触ってきて、その触られる度にゾクゾクと身体が疼く。
太もも辺りを触っていた手が次第に合わせを無遠慮にはだけさせ、欲しがっているように疼く戒められているところに触れ、ビクっと身体が跳ねた。
「あ⋯⋯っ、そこ、は⋯⋯ぁっ」
「ずっと吐き出したくて仕方なかったのでしょ⋯⋯? 栓だけは抜いてあげる」
「い⋯⋯っ、や⋯⋯ぁ、あ⋯⋯っ!」
着物の中で何が起きているのか分からない。
排尿する時は、自分が裾を持って碧人に抜いてもらっているため、この中で何をしているのかは分かりきっている。のはずなのに、見えないだけで不安に駆られる。
というのは素直になってないからだろうか。本音は、先走りでも吐き出したかった先端部だけでも抜かれて嬉しいと期待に満ちている自分がいる。
「んん⋯⋯っ、ん⋯⋯はぁ⋯⋯」
さっきの片手だけでも口を塞ぐことができて良かったのだと、今の状況と比べて思った。
唇を痛いぐらいに噛んでも、意識してないとすぐに快楽を求めようとする自分だと緩めてしまい、声を漏らしてしまう。
それに碧人が突然に悪戯なことをする可能性があるから、自分の意思とは裏腹に出してしまうかもしれない。
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