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夢見る俺たちのオメガバース (4)

 それが、今から三時間前の出来事。  壁の時計は、いつの間にか11時を回っていた。  そして今、俺は、 「はあっ……はあ……っ」  喘いでいた。 「はあっ……はあ……っ」  熱い。 「はあっ……はあ……っ」  身体が、燃えている。 「うっ……うう……っ」  ぶるぶる震える腕を突っ張って、なんとか上半身を起こした。  机の上から体温計を引っ掴み、脇の下に挟んでしばらく待つと、ピピっと音が鳴る。 『37.3度』  やっぱりおかしい。  熱は上がるどころか下がっているのに、身体は燃えるように熱い。  悪寒はないのに、全身が勝手にがたがた震える。  おヘソの奥が沸き立つみたいにじゅくじゅくして、気持ち悪くて、でも、吐き気はしない。  何かはわからないけど、きっとこれは風邪じゃない。  怖い。 「で、電話……」  約束した体温よりは低いけど、今の状況を説明すれば、きっと母さんがすぐに帰ってきてくれる。  仕事の邪魔をするのは嫌だ。  高い確率で病院に連れて行かれてしまうとも思う。  でも、このままひとりでいる方が、ずっと怖い。  無理やり起こした身体は、すぐに崩れ落ちた。  うずくまったまま、必死に携帯のボタンを押す。  早く。  電話しなきゃ。  母さんに。  早くーー 「ひ……ッ」  俺は、呼吸を止めた。  うそだ。  今、お尻から、  何か……出た。 「ま、まさか、漏らしたっ……?」  なんで?  お腹の調子は全然悪くなかったし、下したりなんかもちろんしてないのに。  でも今、確かにお尻からなにかがぷにゅっと溢れた。  その何かがパンツを通り越して、トロトロと内股を伝ってるのを感じる。  どうしよう。  どうしよう。  どうしよう。  どうしよう。 「理人……?」

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