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第20話 観覧車
この水族館のシンボルになっているのが、一周20分の大観覧車だ。
デートの定番で、頂上でキスすると別れないという、お約束のジンクスがある。
だが聖は、ゴンドラに乗り込むと同時に、積極的に秀平の唇を求めた。
ようやく唇を離すと秀平は言った。
「……キスは頂上でするんだよ」
「関係ない。オレと秀平が別れる訳ないし……」
聖の目が潤んでいた。そして、ミニスカートの前が大変なことになっていた。
「聖くん! チンチンがスカートを持ち上げて、パンツが丸見えになってるよ」
「アッ、イヤ! 見ないで!」
聖は身体を丸め、両手で勃起を隠す。
「どうしよう。これじゃあ、ゴンドラを降りられないよぉ」
「収まりそう?」
「……ムリ」
「ムリかぁ……仕方ない、一発ヌくしかないよ」
「ここで?」
「ここしかないよね」
「そんなの、恥ずかしくてムリだよ」
「大丈夫、聖くんだけに恥ずかしい思いはさせないから。ほら、悩んでいる時間はないよ」
秀平は周囲を見回し、肩から下が外から見えない事を確認すると、チャックを自ら下ろした。
聖は、堪えられない興奮を覚える。
秀平は、開いたチャックから勃起したソレを取り出そうとするが、大きくなり過ぎて出すことができない。諦めてベルトを外し、ジーンズとトランクスを一緒に太股まで下げた。
「聖くんのせいだよ。聖くんがあまり魅力的だから、ボクもこうなってしまった」
ソレは、どうやってジーンズの中に収まっていたのか不思議なほどに巨大だった。
真っ直ぐに天を突き、亀頭は赤黒く腫れ上がってピカピカと輝いている。
聖也は、ソレを見ただけで、ゾクゾクと快感が背筋を駆け上がった。
「アアア……オレで勃っているんだね」
「そうだよ。聖くんを見て勃っているんだ」
「この前はゴメンなさい。せっかく触ってくれようとしたのに逃げて……ボク、怖かったんだ」
「怖い?」
「ボクにも秀平と同じモノが付いている……どんなに女のコの格好をしても、ソレは無くならない。ソレを見たら、秀平が冷めるかもと思うと怖くて……」
「そんなこと、絶対ないよ」
「うん、女史にも言われた。秀平はソレも全部含めてボクを愛してくれてるって……だから見て……ボクの全て……」
聖はゆっくりと足を開く。青い下着がチラリと覗く。
「……パンツはね、男モノなんだ……ゴメンね」
聖也がスカートを少しめくると、ブリーフが現れた。
秀平は、それを血走った眼で凝視する。
聖のパンツなど、体育の授業で散々見慣れている筈なのに、シチュエーションのせいで、秀平を恐ろしいまでに興奮させていた。
片や聖也は、ブリーフの前を掻き分けた所で躊躇う。
——お願い……ボクのを見ても萎えないで……。
祈りながら恐る恐ると取り出したソレは、秀平のより一回り小さいが、肉食獣の牙を思わせる硬さで天にそそり立ち、興奮で朱色に染まっていた。
「おおお……聖くん、キレイだよ。ああ、我慢するのが辛い……」
秀平のソレは萎えるどころか更に膨張し、血管が浮き上がってグロさが増した。
「嬉しい。ボクのを見て、秀平もっと大きくなったよ。辛いよね、今、ボクがお口で楽にしてあげるから……」
「ダメだよ、聖くんの頭が消えたら周りが怪しむ。それより聖くん、自分でシコッて見せて」
「自分で?」
「そう。オナる聖くんを見たい」
「……いいよ。それで秀平が喜んでくれるなら……」
聖はバックからティッシュを取り出すと左手に持ち、右手でソレを上下にシゴいた。
「ああ……恥ずかしくて死にそう……お願い、そんなに見つめないで……」
「聖くん、下を向かないで。もっと感じてる顔見せて! クソッ! ボクも我慢できない」
秀平も自分を握り締め、激しく上下にシゴいた。
「アアン! 秀平のシゴき方、激しいよ! 見てるだけで感じちゃう!」
「聖くんも清楚な顔して、そんなエッチなカッコで! 尿道からイヤらしいユダレが垂れ流しだよ!」
「イヤ、言わないで。恥ずかしいよぉ。アア、どうしよ、もうイッちゃいそう……」
「僕もだ……限界だよ」
「もう頂上だよ。一緒にイこぅよお、秀平」
「うん、一緒に……あ、あ、出る。出る!」
「……ィクッ!」
二人は、絶頂に達するお互いの姿を見ながら同時にイッた。
とてつもない興奮と快感だった。
聖は放った精液を上手くティッシュで受け止めたが、秀平は激しくシゴき過ぎて、最初の一撃を自分の顔面に受けてしまう。
暫しの放心の後、聖は身を乗り出して秀平の顔に唇を近付けた。
そして、飛び散った精液を舐め取る。
秀平はグッタリとして、聖にされるがままだ。
秀平の精液は苦く、強烈なオスの匂いがして、聖は眩暈を感じた。
観覧車を降りた後、二人は薄暗いクラゲのコーナーへ行き、並んでベンチに腰掛けた。
そして身を寄せたまま、大きな水槽の中をフワフワと漂い続けるクラゲを、ただボンヤリと眺め続けた。
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