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第24話 籠絡

 唯人は呆れ顔で聖を見下ろす。 「バカだなぁ。そんな風に言われて、わかりました手でいいです、なんて言うと思うか? 無理にでも咥えさせたくなるのがサガでしょ。ホラ、咥えろよ」 「ううっ……」  聖は泣きながら唯人のジーンズとパンツを脱がす。  出てきたのは、真っ黒に淫水焼けするまで使い込まれたイチモツだった。  おぞましくも威風堂々としたその姿に、思いとは裏腹な溜め息を聖は漏らした。 「はあっ……ステキ……」  自分の言葉にギョッとする。 ——オレは何てことを……。  逆に唯人は上機嫌になる。 「おっ、わかってるじゃん。凄いだろ、俺の黒チンポ。並大抵の女修行じゃ、こうはならないからな」  挑発するように反り返る亀頭から、理性を吹き飛ばすような甘ったるい匂いが沸き立つ。  唯人は黒チンポに力を入れ、ビクンビクンと跳ねさせて存在を誇示した。  聖は、もうあがなえない。 「秀平、許して……」  その声が震えているのは、悲しみからか、歓びからか。  震える舌を伸ばし、カリ首裏の一番敏感な部分を舐め上げる。  再びビクンと跳ね上がった。  理性を、身悶えするほど興奮がアッサリと圧し潰した。 ——ああ、本物のおチンポ。たくましいおチンポを舐めてるよぉ……。  レロレロと一点集中で同じ場所を攻める。最も感じる部分を、寸分の狂いもなくピンポイント口撃だ。  唯人は慌ててわめいた。 「あわわ! ちょ、ちょっと待ってくれ! 何てテクだ。キミ、ホントにフェラ初めて?」  いきなり余裕を無くした唯人が滑稽で、聖は笑ってしまう。 「クスッ……」  そして、小悪魔的な上目使いで男を見上げた。 「……同性だし。男のツボは知ってるよ」  言い終わるより早く、裏スジを下から上へ、そして上から下へと舌を這わせる口撃に切り替える。これも、裏スジを正確に攻めてズレが無い。 「クウッ……」  男の顔が歪んだ。  裏スジを攻めつつ、手のひらで玉袋を転がす。 「お……お……お」  涙目になった唯人に、聖は念押しする。 「オレのお口に含む初めてのおチンポなんだからね、約束通り写真は消してよ」 「わ、わかった。男に二言は無い。だから早く咥えてくれ」  聖は覚悟を決め、唯人のモノを先端から口に入れた。  亀頭部分を入れただけで、口の中は一杯になる。  聖は唇に力を入れ、カリ首の付け根を締め付けた。  それだけで唯人は悲鳴を上げた。 「ひいっ!」  その状態のまま舌を時計回りに動かして、亀頭を口の中で舐め回すと、悲鳴は更に大きくなる。 「うわああっ! なんじゃこりゃあ!」  カウパー粘液が大量に流れ出て、口の中に苦味が広がった。  続けて聖は、舌の中央部分でカリ首裏の一番敏感な部分を強めに擦る。 「おごごっ! んあっ! んあっ! ストップ! ストップだ!」  パンパンに膨らんだ亀頭が、間もなく限界に達すると訴えていた。  聖は口を離し、優しく玉袋を転がしながら尋ねる。 「もうイッちゃう?」  唯人は肩で息をしながら答える。 「イヤ……ダメだ……ハアハア……一太刀も振るわずに果てては末代までの恥」  そして、聖のワイシャツのボタンに手を伸ばした。 ——逃げないと……。  だが、思うよりも早くシャツの前ははだけ、素肌が露わになる。  興奮で乳首がプクッと膨らんでいた。  唯人が呻いた。 「クソッ……この俺様が、男の肌にこれほど欲情するとは……」  中指の腹で優しく円を描くように乳首を攻めると、聖は女のように身悶えた。 「アアン……」  唯人がキスをしようと唇を近付けてきたが、聖は顔を背ける。 「キスはダメ……」 「ふん、古いアメリカ映画のヒロインみたいなセリフだな。あのヒロインも男のキスを拒むんだ。娼婦のくせにな。聖も、俺のチンポを咥えておいて、何を今更」  イラついた唯人は、乳首への攻めを人差指と親指で挟んでのこね回しに切り替える。 「アアン……痛い」  しかし、言葉とは裏腹に、胸を唯人に突き出す聖。 「まあいい、絶対キスのおねだりさせてやる。ほら立ってみろ」  そして、ズボンの上から股間を強く揉んだ。 「なんだ、カチンカチンじゃないか。俺とエロいことしたくてこうなってるんだろ?」 「あああ……そんな、乱暴にいじらないで」  だが、パンツの中で、カウパー粘液のシミが広がっていくのを感じる。  男の手がベルトにかかった時、聖はその手を上から押さえた。 「お願い……せめてシャワーに行かせて……」  獣じみていた唯人の目が我に返る。 「そうだよな……シャワーした方がいいよな。俺が先にいいか?」 「はい?」  唯人の切り替えの早さに茫然とする聖。 「ああ、写真の削除か。んと……ほら、間違いなく消したからな」  写真は聖の目の前で削除され、唯人はそのままスマホをテーブルに置いてバスルームに向かう。  その後ろ姿は、逃げたければ逃げてみろよ、とでも言いたげだった。

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