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③
音葉くんサイド
今日は朝から気持ち悪い
楓にぃと喧嘩したら
今の俺だったら負けてたな…
力入んねーもん。
柚葉「おと、ついたよ。」
今日見回りもあるし
頑張らないと。
柚葉「おとは?おとー?」
「え?なに?」
柚葉「何?じゃないよ。
何回も呼んだのに。
やっぱり具合悪そう。
確実に貧血だろうけど。」
「ちがうから。」
〜〜〜〜〜
見回りの時間だ…
だるいなー
梅葉「ゆず、おと、いくぞ。」
体がだるい…
ゆずにぃが言う通り
貧血なんだろうけど、
そんなこと言ったら
輸血させられたりにいさんたちの
血液を飲まされたりするんだ。
考えただけでも
気持ち悪くなってきた。
なんとか見回りを終えて
平和だったことにホッとして
椅子に座って天井を見上げた。
梅葉「おと」
梅にぃは俺の前にしゃがんで
手を掴んで見上げてきた。
「…なに?」
梅葉「今日家帰ったら
一応、採血しよう」
「なんで?まだ検診の日じゃない。」
梅葉「なんでかは自分が1番わかるだろ。」
「わかんないし…」
梅葉「音葉、飢餓状態になったら
辛いのはお前だよ。」
「……わかってる、そんなの。」
梅葉「そうだな。何度も経験してるもんな」
さっきから喉も乾いて
水で何度か誤魔化してるけど
血が足りていないんだと思う。
それに気がついたんだと思う。
でも、痛いことも苦手だけど
血を取られるのも苦手。
「家帰ったら鉄分とるよ…」
梅葉「うん、そうしよう。」
〜〜〜〜〜
「いやだよ!やんないよ!」
梅葉「採血すぐ終わるから」
「なんで、やんないよ!」
梅葉「やるって言ってただろ。」
「だから、鉄粉取るからって言ったじゃん」
梅葉「ヴァンパイアが鉄分だけで
どうにかなるわけない。
痛いのは一瞬だから我慢して」
「採血終わったら輸血するくせに!」
梅葉「…気がついてたのか。
なら、話が早いな。ゆき、拘束して。」
雪葉「…うん。ごめんね、おと」
雪葉が、手首を噛んで
血の力を使った。
契約の力で俺をベッドにくくりつけた。
「いってぇな。離せよ。」
て言うか手首の血どうにかしろよ。
気持ち悪くなんだろ。
「っ、やめろ!やめろ!」
雪葉「ごめんね」
梅葉「我慢して。すぐだから」
早いとか遅いとか関係ない。
「いっっ…っ、やめて!」
梅葉「採血終わったよ。
このまま輸血しちゃうな。」
「やめて!!お願い!!」
輸血は拒絶反応が強いから
辛いんだよ。
それに血を入れられるのは怖い。
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