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番外編 七夕 2(蒼人視点)②

 幼馴染みだから、小さな頃から写真や動画はいっぱい持っている。けど、今だからこそ、番になったからこそ得られるものも多い。  ……何、とは言わないが、本当に可愛い動画を多く残している。麻琴には内緒な動画も、数多く所蔵している。  少し頬を紅潮させながら俺のシャツを握りしめる姿を見ると、俺もたまらない気分になってくる。……昨日の夜だって散々麻琴を愛したのに。  暫く麻琴の様子をこっそり録画しながら堪能していたら、こちらに気付いた麻琴と目が合った。 「蒼人(あおと)……? そんなところで何してるの?」  動画を撮っているのが見つかってなにか言われるかなと思ったけど、そんな様子は見られず、まだ少しポヤポヤとしたまま、フニャッとした笑顔で手招きをすると、俺を呼んだ。 「早く、来て?」  ベッドの上をポンポンっと叩くと、両手をパッと広げて、もう一度ふにゃりと笑った。  足元へ残された朝食の存在などすっかり頭から消えて、俺は誘われるがままに、彼シャツを着た最愛の人の元へと急いで駆け寄った。 ◇ 「麻琴、あーん」  俺の膝の上で、まだポヤポヤしたままの麻琴の口に、一口大にちぎったトーストを運ぶ。  すっかり忘れ去られていた朝食は、部屋から出られない俺が温め直すことは出来ず、冷めたまま食べることになった。  あのあと、食事も取らず麻琴と共に過ごし、気付けばもう昼食の時間となっていた。  温め直してくるからと部屋を出ようと試みたものの、俺のズボンを掴んだまま離さない。  ヒートの終わりもだいぶ近付いたから、頭もしっかりとしてきているはずだが、まだほわんとしたままの麻琴は、ニコニコしたまま俺を見ていた。 「蒼人、あーん」  雛鳥のように口を大きく開けて催促をするから口に運んでやると、嬉しそうに咀嚼をする。それを何度か繰り返し、昼食の時間を終えた。  その日の麻琴は結局、完全にはっきりすることなく、夜までポヤポヤしたままで過ごした。

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