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闇の中の何か 2
指1つ動かない中で目を覚ます。
目を覚ますことすら恐怖だった。
夢の中でも責められ続けていたから。
でも、目を覚まさないわけにはいかなかった。
逃げられない夢ではなく、逃げられる現実ならば。
カーテン越しの光が刺す部屋は悲惨な有様だった。
どれほど出したのか。
自分の出したモノ。
精液以外のモノまで出したのがわかる。
それでも大半は飲まれていたから・・・。
下半身が唾液でベッタリ濡れていた。
アレの唾液なのだとゾッとした。
だけど、重だるさはあるのに、明らかに弄られ責められた感触はあるのに。
脚には大きすぎる手が痣になって残っているのに。
なのに。
自分でやりすぎた時の粘膜が痛めつけられた感覚とかはなくて。
それが。
普通では無いことだけが分かってた。
腿と足首に残る大きな指の跡。
そう、足首まで掴まれそこをしゃぶりつくされたあの感覚。
尻を抱えられ、あれはソコを執拗にしゃぶり吸ったのだ。
見えないが掴まれた跡は尻にもあるだろう。
何故だか、アレはソコだけにしか執着しなかった。
射精させるためというよりは、そこへの異様な執着があった。
舌で指で唇で、ひたすらそこを確かめ、自分を刻みつけ、喰らい続けるような。
思い出したなら信じられないことに、勃起していた。
あんな目にあったのに。
恐怖ですすり泣く。
普通の。
普通の男でしかない自分に何が起こったのか分からなくて。
仕事に行くことなど、思いつきもしなかった。
舐められる感触を思い出して、自分でしてた。
あんなにしたのに、それでも出た。
薄すぎるソレに、恐怖した。
部屋の残状と同じくらいそれはリアルだった。
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