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闇の中の何か 5

夜を待った。 今度はのしかかる身体を両手を広げて受け入れた。 こちらからは触れられなかったけれど。 乳首が疼き、ペニスが震え、キスをねだって口が開いた。 でも、大きな手が身体をゆっくりとひっくり返した。 ズボンを脱がされ、尻を持ち上げられた。 後ろの穴を舐められて、そうなのだと理解して、吐息で受けいれた。 ここを可愛がってくれるのだと嬉しさに震えていた。 大きな指がゆっくり沈んでる来る時は、思わずうめいたけれど、そうしながら乳首を弄ってくれたからその快楽に夢中になった。 指で解され、舐められた。 舐められたなら、大きな声が出た。 そこでの感覚はたまらなくリアルだった、 ここもまた、神経がむき出しになる場所なのだとわかった。 舌の感触を口の中と同じくらい感じて、それに酔いしれた。 すすり泣き、舐められただけでペニスから射精し、指をいれられ絶叫した。 体位を変えて尖った乳首を舐められながら、穴の中を指で教えられる良さに狂った。 腹の奥が熱くなり、ここまで欲しいのだと実感した。 途中で巨大なソイツのペニスを扱かさせてもくれた。 自分からしゃぶり、しゃぶると自分のペニスも感じて射精していた。 触られなくてもすぐに感じ達してしまうペニスになっていて、自分はもう女とは出来ないのだと実感した。 抱かれる側なのだと。 愛していたはずの彼女のことを少し考えた でも。 すぐに忘れた。 唾液で散々濡らされた穴の中で指が穴の良さを教えてくれた。 震えて喘いで、すすり泣くだけのモノになる場所を。 切なく鳴くだけの楽器になった。 穴の中はたまらなく気持ち良かった。 射精しないでも達することを覚えた。 脳が焼ききれ、真っ白になり、意識が何度も弾け飛んだ。 イク イクっつっ 泣いてヨダレを垂らして叫んだ。 大きいのが欲しいと思った。 指より気持ち良いと分かってた。 昨夜ゴリゴリと自分のペニスと擦り合わせてくれたそれで、中もゴリゴリして欲しかった。 挿れてぇ 挿れてぇ 自分から強請り叫んでいた。 あんな大きなモノは人間に受け入れられるものでは無い、という考えはもう無かった。 脚を広げられた。 貫かれた。 腹を突き破るはずのそれを、受け入れていた。 ひいいっつつ 声を上げたけれどそれは、絶命の声ではなかった。 「やっと私のモノになった」 声がした。 そこにいたのは闇でもモヤでも無かった。 巨大な。 大きな。 人では無いソレ。 でも美しいソレ。 美しい巨大な肉体が自分を貫いていた。 間近にあるその顔に手を伸ばす。 触れることが出来た。 人とは異なるが美しい顔。 その美しさに目が眩み、後しろを貫かれた熱さに痙攣する。 「お前が気に入った。だからお前は私のモノだ」 ソレの説明は簡単だった。 昔から彼らが人間を欲しがる理由はそんなものなのだ。 どこで。 どういう風に見つかったのかは関係無い。 彼らが見つけたなら彼らのモノなのだ。 甘く後ろが軋んだ。 その大きな熱いモノがたまらなくいい。 突き上げられて、甘く叫ぶ。 刺し貫かれることは甘すぎる処刑だった。 いいっ いいっ いいっ 異形のソレがその声に笑う。 ソレはずっとこんな風に笑っていたのだろうか 甘く恐ろしい笑顔だった。 「いいに決まっている。私のモノにした。私のための私だけのモノ」 ソレは言った。 ゆっくりとその中を確かめるように動く。 何もかもがソレの思う通りだった。 気持ちい いい 何 なにぃ ひいいっ その叫び声を楽しみ、ソレは自分のモノになったその中を味わう。 完璧だった。 蠢き痙攣し、何より全身で自分を求める。 「私のモノだ。私の」 それはそこをすべて自分のモノにしていく。 突く度に彼はソレ無しでは居られなくなり、そこで擦る度に彼はソレに狂い何もかもを忘れる。 突き上げれば、ほら、もう欲しがり狂うだけ。 貫かれた槍の上で悶え苦しむヒトのように痙攣するが、ソレは喜び狂っているからだ。 ソレは可愛がるためにさらに何度も突き上げた。 ひいっ ひいっ いいっ いいっ 絶命するかのように叫び、何度も快楽に死ぬ。 ソレはその様子を愛しく思いながら、楽しんだ。 死ぬ度に締め付けるソコが愛しかった。 その時ドアが開いた。 人間達の声がした。 何日も彼と連絡をとれないことを心配した人間達が押しかけてきたのだ。 だがソレは気にせず、彼を突き上げつづけ、泣きながら叫ぶその顔を堪能した。 甘く熟した乳首を齧りもする。 「声がする」 「悲鳴だよね」 慌てて入ってきた人々は部屋へ押し入り、悲鳴を上げた。 彼らはソレが彼を犯す姿を見てはいなかった。 彼らが見たのは一つだけだった。 ベッドの下に落ちていた、彼の抜け殻だけ。 ソレが彼を自分のモノにするために不必要になった、彼の抜け殻。 かみちぎられた乳首やペニス、破壊された口腔。 腹まで貫かれ裂かれ、はみ出した内臓。 そんな抜け殻の姿。 おびただしい精液と血に塗れた抜け殻。 そう、人間達には抜け殻しか見えないのだ。 本当の彼は今、ソレに抱かれて泣いて喜んでいるに。 もっとぉ 彼が叫ぶ。 彼の彼女が泣き叫ぶ傍で。 ソレはそうしてやる。 彼女が二度と触れられない彼を、自分だけのモノだとみせつけるように。 人間にソレと今の彼が見えないことをソレは残念に思うのだった。 泣いて抜け殻に縋る彼女の傍で、それは彼の中にゆっくりと放った。 彼は彼女の前で達した。 中に出されたことに喜びながら。 これで彼は。 永遠にソレのモノなのだ。 終わり

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