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花嫁 8
バイトもしてる。
友達も出来た。
村にいた頃とは全然違う。
そして何より。
恋人がいる。
優しい恋人が。
恋人はまあ、いわゆるカタギでは無かった。
巨大な身体と暴力で、そういう風に生きてる。
「オレにゃこういう生き方しかできねぇんだよな」
笑ってて。
でも、それは分かった。
自分もそうだったから。
こんな身体にされてたから、この人に出会わなければそういう仕事しか無かっただろう。
この身体を満足させられる人間はそうはいない、ともう知っていた。
恋人と出会わなければ、仕方なくやりたくもないそういう仕事をしただろう。
人間ではないモノのために時間をかけて作り替えられた身体は、もうマトモではなかった。
「一人じゃ足りなかったんだよな。お前だけだ、一人でオレに付き合いきれるのは」
恋人は言った。
以前は数人必要として、なんなら一晩で2人とかを【使って】たのだと正直に教えてくれた。
そうしないと抱き殺してしまうから、と。
それはお互い様だった。
恋人のおかげで、この身体は飢えなくても済んでいる。
恋人が毎夜身体を満たしてくれるから。
もう。
挿れられないなんて、考えられない身体になった。
奥まで欲しがり、突き当たりを抜かれそこを虐められなければ納得できない。
「オレのをこんなに受け入れて。こんな奥まで欲しがって。オレのでこんなに喜んで。可愛い。可愛い。本当に可愛い」
恋人は中を存分に可愛がり、責めたててくれる。
花嫁だった時ほど長い時間はして貰えないが、昼我慢しながらバイトで働くことも、満たして貰えるから耐えれる。
奥を抜かれる。
突き当たりのそこをぶち抜かれ、焼ききれたようになって痙攣するのが好きすぎた。
「ここが好きだよなぁ」
そこをゆっくりじっくり責められ続ける。
背骨がしなり、喉がそる。
その喉を甘く噛まれ吸われた。
恋人の歯は鋭く大きい。
恋人は全身隈なく可愛がってくれた。
右も左も乳首はかじってくれるし、ペニスも舐めてくれた。
口の中も舌や指でも可愛がり、喉奥まで犯してくれた。
「可愛いなぁ。可愛い」
そう囁かれながら、イカされ続ける。
好きに動けと跨らせて、夢中になって腰を振った。
下から突き上げてもくれて、髪を振り乱しながらイキ狂った。
こんな姿を見せても。
みせても良いのだ。
この人だけには。
その肉体を欲した。
欲しがられるのと同じくらい。
「可愛いなぁ。可愛い・・・」
ささやき続けられた。
意識を飛ばされ眠っても、それは花嫁だった頃とは違った。
幸せだった。
幸せすぎた。
バイトをし、帰ってくる恋人にご飯を用意し、2人のための部屋を整え、幸せに暮らしてた。
恋人が血まみれで帰ってこようと。
いつも血の匂いがしても。
それでも。
ここでしか生きられなかった。
都会の暗闇に生きる場所を見つけ出した。
「愛してる」
その言葉を覚え、恋人にそう言ったなら、恋人は真っ赤になって喜んで。
その日は夜だけでは終わらなかった。
幸せ。
幸せ。
幸せ。
その思いを噛み締めていた。
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