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子作り、しましょ!

「なぁ、ラスティ。子作りしない?」 「頭沸とんのか」  突拍子もないことを言いだした久秀に、ラスティが辛辣な口調で返した。 「ひどいな。俺はいたって真面目だ」 「よけいにタチ悪いわ。なんやの、寝ぼけてんの」 「寝ぼけてはないんだがなぁ」  顎のヒゲを触りながら、久秀はいつも通りのテンションでつぶやく。  そして真面目な顔になり、ラスティの手を握る。まっすぐに彼の空色の瞳を見つめた。 「お前を抱きたい」 「えっ」  あまりにも直球な言葉に、ラスティが動揺する。そして彼の視線がうろうろと泳ぎだした。 「いや……あの、その……」 ラスティの頰に朱が差し、耳まで真っ赤になっていく。  動揺しているのか、彼らしくもなく、うまく言葉を発することができずにいる。 「ラスティ」 久秀がゆっくりと名前を呼んだ。  たまらず目を合わせると、彼は口角をニッと釣り上げた。獣のようなそれに、ラスティはゾクリと背筋を震わせる。 「なぁ」  久秀はもう片方の手をラスティの腕に這わせた。手首から腕を伝い、肩、そして首筋、頬に流れるように触れていく。  それだけで、いいようのない感覚が身体を支配して、それ以上逆らえなくなる。 「子作り、しない?」  もう一度、誘いの言葉を投げる。  男同士で子作りなんてできるはずもないが、そんなことは百も承知だ。  久秀の狙いはあくまで「ラスティをその気にさせて」行為に及ぶことにあった。  ラスティにはその思惑がしっかりと伝わっているだろう。 「い、いや、だって……」  ラスティの声がうわずる。視線は右へ左へ彷徨った。  久秀から距離を取ろうとしているのか、後ずさりしようとするがすぐに壁にぶつかってしまった。  彼は観念したのか口をキュッと一文字に引き結ぶと、おずおずと口を開いた。 「だって……オレ、女の子ちゃう……」  蚊の鳴くような声だ。最後の方はもごついて何を言っているのか聞き取れない。  しかし久秀は聞き逃したりしなかった。 「わかってるさ」  フッと微笑んで、ラスティの唇に口づけた。  ラスティは目を大きく見開いて硬直したが、やがて静かに瞼を閉じる。  唇が離れた時には互いに熱い眼差しを送り合った。 「子作りしよっか」  三度、耳元でささやくと、ラスティはゆっくりとうなずいた。 「でも、その……オレ、男やし」 「知ってる」 「……胸もないし」 「お前だからいいんだよ。だから大丈夫」  二人は再び口づけをした。今度は先ほどよりも激しく、深く、何度も互いの口を食み、吐息すら逃さないように吸い合う。ラスティは苦しそうな息を漏らすが、すぐに呼吸は鼻でできることに気づくはずだ。  久秀は右手でラスティの頰に触れる。優しく撫でて、それから首筋に手を動かした。 「……んっ」  くすぐったそうに身をよじる彼をしっかりと捕まえて、今度は服の上から身体を弄ぶ。胸から腰、腹へ、徐々に手を下げていき、臀部へと到達したら揉むような手つきで触れてみる。  ラスティの唇の間から熱い吐息が漏れた。それに気づいた久秀は口づけをやめて、彼に尋ねる。 「気持ちいい?」  ラスティは少しためらったのちにこくりとうなずく。  頰を赤らめながら、視線をそらして答えた彼を見て、久秀はゴクリと喉を鳴らす。 「もっと気持ちよくしてやるよ」  そう言って服の下から手を入れて、素肌に触れる。引き締まった肉体を確かめるように手のひらで撫で回した。  そして今度は彼の胸に指を這わせる。小さく主張している二つの突起物に触れた。  その瞬間、ラスティの身体がぴくりと反応する。 「ここが感じるんだな」  意地悪っぽく笑ってみせると、ラスティの顔がみるみる赤く染まる。羞恥心が勝っているのか、彼は口をつぐんで何も言わなかった。  それをいいことに、久秀はさらに愛撫を加えてゆく。親指の平全体を利用して胸全体を押し潰したり揉み込んだりしながら指先で先端を軽くつまんだりして弄ぶ。  次第に硬くなっていき、色づき始めていたそこを指の腹を使って押し込んだりこねたりすると、ラスティの身体が小刻みに震えていて、唇からは吐息混じりの声が漏れた。  しばらくそうやって愛撫を続けてから、久秀はラスティの上半身を脱がせにかかった。彼は黙ってされるがままになっていた。  上半身裸になった後、ズボンに手をかけられるところで少し躊躇したが、観念したのか腰を浮 かした。  下着ごと一気に脱がすと、すっかり勃ち上がった陰茎が姿を現した。先端から先走りが垂れていて、それを指で絡め取るとラスティが小さく声を漏らした。 「かわいいなぁ」  そう呟き、久秀も前を寛げて硬くなったそれを引っ張り出し、ラスティのものと自分のものとを一緒に手のひらで包んだ。  そしてゆっくりと上下に動かす。 「ん……ふッ……」  ラスティが眉根を寄せる。しかしすぐに快楽に蕩けた表情を浮かべて身を委ねた。  二人で一緒に擦り合わせるのは想像以上の気持ちよさだ。  裏側の感じる場所を何度も刺激すると、その度に手の中のものがピクピクと反応し、やがて先端の小さな穴から白いものが飛び出してきた。  その白濁液を潤滑油代わりにしてさらに激しく手を動かした。ラスティも久秀も限界を迎える寸前まで上り詰めていた。そして同時に射精を迎えた。 「あ……ああ……」  何度目かの射精にもかかわらず、量が多く濃かったようで、手やお腹、胸のあたりに飛び散ってしまっていた。しかしそんなことを気にしている暇はないようだ。  余韻に浸っている間に、再び勃ち上がりかけたそれを今度は口で可愛がることにした。  まずは根本までくわえこんで舌で裏の筋を刺激する。ラスティはビクビクと腰を震わせた。それから口を窄めた状態で顔を上下させ、時折口を離して舌先だけで尿道を抉ったりした。 「ひ、ひさひで、さん」  ラスティは声を抑えることができなかったのか、甘くかすれた声を上げていた。  しばらく続けていると再び硬さを取り戻してきたようで、口を大きく開けることになった。今度は亀頭に吸い付き、鈴口をちろちろと舐めた後、一気に喉の奥に迎え入れた。  そして頭を動かして刺激したと同時に、ラスティが限界をむかえたのか口の中に熱い液体が溢れてきた。それを全て飲み干して、最後の一滴まで吸い取るとようやく口を離した。  ラスティは荒い呼吸を繰り返していた。頰が赤く染まり、目には涙を浮かべている。しかしどこか物足りなさそうな表情でもある。久秀はそれに気づいていたがあえて無視することにした。 「じゃあ、俺のことも気持ちよくしてくれる?」  そう言って、自分のものを指し示した。ラスティは蕩けた表情のままそれを見つめて、ゆっくりと頷く。  そして四つん這いになると、久秀の股間に顔を近づけた。  天高くそそり立つそれに、ラスティはごくりと生唾を飲む。長く大きく太いそれは、男なら誰しも憧れるシロモノだ。  口淫はこれが初めてではない。しかし、いつだって久秀のペニスを見るたびに、初めての気がしてゾクゾクする。  ラスティは恐る恐るそれに手を触れると、ゆっくりと上下に動かした。久秀が小さく声を漏らす。それが嬉しくて、さらに激しく扱いた。  先ほど出した精液を舐めとり、陰茎全体を口の中に含むと頭を前後に動かし始めた。そして時折軽く歯を立てて刺激を与えていく。時々玉の方も揉んでやると、さらに硬度が増して大きくなる。 (すごい……)  口の中でそれが脈打つたびに身体が疼いた。早くこれで突かれたいという欲求が高まってくるのを抑えながら、ラスティは一生懸命奉仕を続けた。 「ああ、上手だ。気持ちいいよ」  頭を撫でられながら、そう褒められる。上目遣いで見やれば、久秀は褒めているにも関わらず、ひどく加虐心の溢れる顔をしていた。  ラスティの中に眠る被虐心が刺激され、下半身が疼く。  早く挿れてほしい。そう思いながら必死になって刺激した。  そんな彼の気持ちを知ってか知らずか、はたまた気が変わったのか、久秀は口淫を辞めさせる。  せっかく気持ちよくなってもらいたかったのに、急に拒絶されラスティは不安でいっぱいになった。なにか気に障るようなことをしたのだろうか。それとも下手だったのだろうか。 「なぁラスティ」  久秀は一度手を引くと、ラスティをベッドに座らせた。そして自分の上に後ろ向きに乗るよう指示する。言われたとおりにすると、久秀はラスティの体を抱きかかえるような体勢になった。  彼は両手で胸に触れたかと思うと乳首をつまみ上げたり、押し潰したりし始めた。  さらには耳たぶから首筋にかけて舌を這わせ、時折歯を立てたり吸い付いてきたりしてくる。 「あ、ああ……」  ラスティはされるがままになっていた。乳首を摘まれるたびに腰が揺れ、身体が熱くなっていくのを感じた。  久秀は片手を下半身に伸ばしてゆき、ラスティの自身を握ったかと思うと激しく上下に動かし始めた。  ラスティの口からは断続的に熱い吐息が漏れる。目尻には涙が浮かんでいた。 「気持ちいい?」  耳元で囁かれる。ゾクゾクとしたものが背筋から脳天まで突き抜けた。 「んあ、きもちええ……すき……」  ラスティは無意識のうちにそう答えていた。まるで催眠にでもかかったかのように正常な判断ができなくなってきていた。久秀が与えた快楽によって理性が崩れ去っていく。 「好き? ああ、俺のちんこが好きなの?」 「ん、ち、ちが……」 「嘘つく悪い子にはお仕置が必要だよ」  久秀はラスティの首筋を強く吸ったかと思うと、今度は舌でなぞり上げた。ラスティの白い肌に赤い印がつく。  その間も手は休むことなく動かし続けているので、ラスティは我慢の限界を迎えようとしていた。 「あっ、あかん、でる……」  そう叫ぶと、久秀はピタッと手を止めた。絶頂を迎えようとしたところで刺激を止められてしまったため、ラスティは物足りなさそうな顔をしてしまった。  久秀は意地悪っぽく笑う。 「どうしてほしい? ちゃんとおねだりできたら続きをしてあげるよ」  ラスティは何も答えなかった。ただ物欲しそうな瞳で彼を見るだけだ。  久秀はラスティの耳たぶを食んだ。そして舌先で耳の穴の中までねぶるように舐める。ちゅぷ、くちゅっという水音がダイレクトに脳に響いてきて、ラスティの思考能力を奪っていく。丹念に、耳たぶから耳輪をねっとりと舐めあげる。  久秀がラスティの陰茎を擦り上げる。ラスティは無意識のうちに腰を揺らし始めていた。 (アカン……頭、とろとろになる……)  次第に頭がフワフワしてきて、何も考えられなくなってくる。ただ、ひたすらに快楽を求めて体全体が疼いていた。 (欲しい……早く挿れてほしい……)  それだけしか考えられなくなってくる。はやく解放されたくて仕方がないという欲求が湧いてきて仕方がなかった。  ラスティはおずおずと口を開いた。久秀はその様子を見てほくそ笑む。 「ひさひでさんの、おっきいの、ください……」  ラスティはうわごとのように呟いた。その目は潤んでおり、頰も赤く染まっている。  その言葉を待っていたかのように、久秀は再びラスティのものを握り込むと強く擦り上げた。 「ああっ」  待ち望んでいた刺激を与えられたラスティは歓喜に満ちた声を上げる。そのまま激しく動かされて、再び絶頂を迎えようとしていた。しかしあと一歩というところでまた止められてしまう。 「ふっ……ううっ、なん、でぇ……」  ラスティは泣きそうな声を上げる。久秀はラスティをベッドに寝かせ覆い被さると、耳元でこう言った。 「ちゃんとお強請りできたらご褒美あげよう」 「んぁっ……んっ」  久秀はラスティの耳を舐め回すと、息を吹きかけるように囁いた。 「どうされたい? 言ってごらん?」  ラスティは身体を震わせたあと、ついに我慢できなくなってしまい自ら足を開いてしまった。 「おれのここ、に、ひさひでさんの、おっきいのを……いれてくださ……ああっ……あっ!」  久秀はラスティが言い終わる前に一気に挿入してしまった。ラスティの声は途中で途絶え、代わりに悲鳴にも似た喘ぎ声が上がる。  待ち望んでいた快感を与えられて、ラスティのそこは喜びに打ち震えていた。内壁がうねり、きゅうっと収縮する。久秀はラスティの中に全てを収めると苦しそうな表情を浮かべたが、すぐに動き出した。 「ああっ、あん、ひっ……いいっ」  ラスティは快楽に蕩けきった表情を浮かべている。口の端からは唾液が流れ落ちており、目は焦点が合っていないようだった。ほぐしていない分、痛みが快感へと直結しているのだろう。  久秀はさらに動きを速める。ラスティの口からは悲鳴のような甲高い声がひっきりなしに漏れていた。  しかし突然ぴたりと止まったかと思うと、今度はゆっくりと抜き出してゆく。その感覚にもどかしさを覚えたのか、ラスティの腰が自然と揺れ始めた。 「ほしい?」 「ん、ん!」  ラスティは必死に首を縦に振った。その瞳には涙が浮かんでいる。 「どこに何が欲しいのかちゃんと言ってごらん?」  ラスティは羞恥心を捨て去り、大きな声で叫んだ。 「オレのおしりおめこに、おっきいのをっ!……ひゃああっ!!」  言い終わる前に思い切り突き上げられた。ラスティは背中をしならせて絶頂を迎えたようだったが、久秀の動きはまだ止まらない。絶頂直後の敏感な身体に更なる快楽を与えられ、ラスティは身体を捩らせながら喘いだ。 「あっ! あん、あぁっ、だめぇ……ひっ」  ラスティは涙を流しながらも感じていた。その姿に興奮したのか、久秀の動きはさらに激しさを増していく。ラスティの顔からはどんどん理性が失われていき、ただ快楽を求めているだけの雌に成り下がっていた。  無意識のうちに自ら腰を動かし始めており、その姿はとても淫らで美しいものだった。 「なぁ、ラスティ。お前、する前に子作り嫌だって言ってたよな。今からコンドームつけようか?」  そう言いながら、亀頭がギリギリ入っているか入っていないかまで引き抜く。 「妊娠したら大変だもんな」  亀頭で後孔をぐりぐりと弄ると、ラスティはイヤイヤをするように首を横に振った。 「やだっ、や、ぬかないでっ……!」 「でもナマでやったらできちゃうよ?」 「ええ、からぁ、赤ちゃん、できてえぇからぁ……!」  ラスティは懇願するように言った。その表情には理性のかけらもない。ただ目の前の快楽を求めるだけの雌になっていた。久秀はラスティに口付けると、再び陰茎を奥深くまで挿入していった。 「ああっ!」  ラスティは再び嬌声を上げる。久秀はゆっくりと抜き差しを始めた。浅いところを往復したり、奥の方まで挿れたりを繰り返す。ラスティはその刺激に対して敏感に反応した。 「あ、ああ、ひっ……ひいい! こわっ……怖いぃ、やっあ、やめっ」  ラスティはボロボロ泣きながら懇願した。久秀はラスティの耳元でこう囁く。 「もし赤ちゃんできたら、俺だけのものにできるな。永遠に俺と一緒にいられる」  その言葉を聞いて、ラスティの顔は恐怖と快楽が入り交じった表情に変わった。しかしそれも一瞬のことで、すぐに快楽へと染まってしまう。 「ひっ、あっ、ああっ、ほしい、ひさひでさっ、んんんっ!」  ラスティは無意識のうちに腰を揺らしていた。久秀のものが出たり入ったりするたびに、内壁がきゅうっと締まる。まるで精液を欲しがっているかのようだ。 「くっ、はぁ……ラスティ……ラスティ!」  久秀はラスティの後頭部を掴むと唇に噛み付くようなキスをした。舌を差し入れると応えてくれるように絡め返してくる。そのままラストスパートをかけるように激しく抽挿を繰り返した。ラスティの脚がガクガクと震える。 「あっ、ひっ、またいくっ……いっっ……!!」  ラスティは大きく身体を震わせたかと思うと、絶頂を迎えたようだった。それと同時に中が強く締め付けられる。久秀はラスティの一番奥深くで動きを止めた。  久秀はラスティの下腹部に手を当てると愛おしそうに撫でて言った。 「ここに出したら本当に赤ちゃんできちゃうね?」  そう言いながらラスティの体を反転させ、四つん這いの体勢を取らせる。そして後ろから再び挿入した。 「ん、あ……っ」  ラスティは上半身をベッドに押し付けたまま、尻を突き出したような体勢になっている。その状態で激しく腰を打ち付けられると、ラスティは獣のような声を上げて悦んだ。 「ぅあ、あっ! ああっ!! ひっ、んぅっ!」  久秀はラスティの反応を楽しむかのようにゆっくりと抜き差しを繰り返したかと思うと一気にねじ込むようにして挿入した。 「あぁっ! やっ、あっ、ああっ!!」 ラスティは身体を震わせる。 「ふぁ、あぁ……ん……」  久秀はラスティの腰を掴むと、ラストスパートをかけるように抽挿を早めていった。ラスティもまたそれに応えようとしているのか自らの腰を動かしている。その姿に興奮したのか、久秀はさらに激しく責め立てた。  パンパンと肉と肉がぶつかり合う音が響き渡る。水音も大きくなり、結合部から溢れ出た液体が泡立っていた。ラスティの口からはもはや意味のない言葉しか出てこない。 「あっ、んあっ、ひっ、ひっ」  久秀はラスティの一番感じるところばかりを重点的に責め立てる。ラスティはその度に身体を跳ね上がらせていた。  内壁がぎゅっと締まり、久秀のものを強く締め付ける。 「ちゃんと孕めよ」  その刺激に耐えられなくなり、久秀はラスティの胎内に射精した。それと同時にラスティも再び絶頂を迎える。声にならない悲鳴を上げると、そのまま意識を失ってしまったようだった。 「いや、なんか、すみませんでした」  事が終わり、ラスティの意識が戻った頃。  久秀は床に正座して、頭を下げた。 「ほんま、信じられへんわ」  散々、良いようにされたラスティが立腹した顔で久秀を見下ろす。侮蔑の色が浮かんでいるが、先ほどまでの情事の余韻が残っているのか、迫力にかけてしまっている。 「でも、結構気持ちよかったでしょ?」 「……うっさいわ。もう二度とやらん」  プイッとラスティはそっぽを向く。素直じゃないなと思いつつも、もう一度、謝罪の言葉を口にしてからベッドに上がった。  ラスティを抱きしめて、チュッとキスをする。 「ごめん」 「次、中出ししたらほんまに嫌いになるからな」 「わかってるよ。ごめんな」  後処理はすぐにしてくれたので、腹を下したりはしなかった。そのあたりは過去の経験で慣れているのか、ぬかりない。 「ほんまに……妊娠するとこやったわ」  可愛い一言に、久秀はムラっとする。萎えたそれが再び硬化するのが自分でもわかった。  当然、身体を密着させているラスティも気付くわけで。 「ラス……」  ティ、と弁解する前に思いっきり身体を突き飛ばされ、ベッドから転げ落ちた。 「このド変態! 久秀さんなんか好かん!」  枕やらクッションやらを久秀に投げつけ、ラスティは布団の中に潜り込んだ。  そのあとは、どれだけ宥めすかしても効果がなく、自分の知る限りの愛の言葉を並べたてたところで、やっと彼の機嫌が直ったのだった。

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