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第20話

 風吹と目を合わすことが出来ないまま、僕は風吹の腕の中に滑り込んだ。大きな身体が、僕を優しく包み込む。 「……花火、綺麗だったね」  少ししか見られなかったけど、花火はとても綺麗だった。僕は免疫が弱いせいで人混みに行く事を母から止められているから、花火大会もほとんど行ったことがない。お腹に響く大きな音と飛び散る火花をすぐ近くで見られて、とても新鮮だった。 「うん……でも」  風吹は僕をベッドの上に組み伏せた。そして僕の頬を両手で包み込む。 「桜の方が綺麗だ」  風吹は僕に口づけをした。洗った後の、まだ毛先が少し湿ったままの風吹の髪が、僕の頬っぺたを柔くくすぐる。部屋は窓を閉めているせいか、外からの音は聞こえなかった。今耳に入って来るのは、空調の音と段々と激しくなるキスを交わす音だけ。  風吹が僕のルームウェアのボタンを外していく。ルームウェアはコテージが貸し出してくれたもので、柔らかい布で肌触りが気持ち良かった。でも今晩は、このウェアの出番はあまりなさそうだった。 「アッ……」  風吹が僕の乳首に吸い付く。脱がされた上着はベッドの横に投げられた。手で僕の胸元を愛撫したまま、唇はお腹から下腹部へと下がって行く。  風吹は僕のズボンを脱がせた。そして下着の奥ですでにかなり硬くなって上を向いている僕のおちんちんを、指先でそっと撫でた。 「ンッ……あっ……アンッ」  僕の身体はビクビクと震える。あんまり刺激しすぎないで欲しい。もし今イってしまったら、僕の体力じゃこの後長く続けられないかも。  風吹は僕のパンツを脱がせた。膝にキスをすると、そこに両手を掛ける。そして上に持ち上げる様にして僕の脚を大きく開かせた。  もう何度も、こうして風吹に恥部を(さら)しているけど、何度やられても恥ずかしくて仕方ない。僕は両手で自分の顔を隠した。  風吹の唇は僕の太ももの内側を上へ向かって這って行く。中心にたどり着くと、風吹は僕の両太ももを持って更に腰を上へと向かせた。隠しようがないほど開かされた僕のお尻の穴を風吹の舌が刺激する。 「ハァッ……! ア、ア、ア!」  気持ち良くて身悶(みもだ)える。しばらくの間、風吹の舌はそこを探り続けていた。唾液でたっぷり濡らした後、指を出し入れし始める。風吹の指が入るたび、僕の内部はその指に吸い付く。まるでもっと奥を知ってほしいというように。  風吹の動きが一旦止まった。僕は荒い息をついてちょっとぐったりした。バサッという音がした。風吹もルームウェアを脱ぎ捨てたようだ。 「桜。お前のに擦り付けていい?」  風吹も息を乱して、かすれた声で訊いて来た。僕は目を閉じたままうなずいた。正直、今まで一度も見た事のない風吹の陰茎を見るのが強烈に恥ずかしかった。  風吹が僕の勃ったものをそっと握った。そこで僕はハッとなった。  何でもかんでも、全て風吹にやってもらうのは傲慢(ごうまん)だ。自分のアソコくらい、自分で握らないとダメだ。ええと、なんて言ってたっけ? 擦り付ける……?  僕は目を開けて少し上半身を起こした。そして目の前の光景に息を吞んだ。 「ふ……風吹。なんか……凄いよ。僕と全然違う。凄い……おっきい」 「──ああもう、ほんっと……お前は」  風吹は急に僕の上に覆いかぶさって来た。そしてキスをすると激しく舌を絡めてくる。僕は風吹の熱量に応えるのがやっとだった。風吹は僕の頬や頭を両手で撫でながら、長く狂おしいキスをした。 「──桜。お前もう、ほんと可愛(かわ)い過ぎ」  やっと口を離すと風吹が言った。 「だって……ほんとに凄いんだもん。そうなってるの初めて見たから……。バカだね、僕。もっと早く見せてって言えば良かった」  風吹はまた僕にキスした。僕もちゃんと舌を絡ませてキスを返した。それから「擦り付けるってどうするの? 僕、どうすればいい?」と訊いた。 「んな小難しいことはやんねぇよ。桜は脚開いててくれればいい。できれば自分の脚を持って閉じない様にしといてほしい」 「うん。分かった」  僕は自分の太ももの裏側に両手を添えた。多分、自分史上最高に恥ずかしい恰好だったけど、風吹の頼みを断る理由はなかった。 「桜……、めちゃくちゃ色っぽい」  風吹の声はかなり乱れている。風吹は両膝を立てて僕に近づき、片手に僕のおちんちんを握って、もう片方の手で自分のを握り、先端同士を()り合わせ始めた。 「アッ、アッ、アッ、アッ!」  風吹の腰の動きに合わせて先端が擦れ合うたび、僕は声を上げ続けた。気持ち良さで頭がどうにかなりそうだった。でももっと、この感触を味わいたい。僕は頑張って目を開けて、二人のソレがこすれているところを見続けていた。  お互いの先端からトロトロの液が溢れかえっている。クチュクチュいう音が更に扇情(せんじょう)的で、余計気持ちが高ぶった。  風吹が動きを止めた。手で押さえて腰を上げているせいで、僕のお尻の穴は二人の体液でヌルヌルになっていた。風吹は自分のモノの先を、僕のお尻に押し付けた。

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