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第48話
シャワーはほぼ水に近いぬるま湯を浴びた。風吹は僕の身体をボディーソープで洗ってくれる。僕も手を泡だらけにして、風吹の筋肉質な身体を洗っていった。
椅子に座った僕の髪を風吹がシャンプーで泡立ててくれている間に、僕は歯を磨いた。口をすすいでから、やっと吐いた後の不快さが解消された。
「……桜。もういい……?」
少しかすれた風吹の声が聞こえたので、僕は振り返った。同時に後頭部を風吹の大きな手が押さえる。水に濡れた風吹の顔が近づき、唇が僕の口をふさいだ。僕が口を軽く開けると、舌が割り込んでくる。
僕たちは貪り合うようにキスをした。風吹の舌の熱さと手の感触を、意識を集中して感じ取る。そうしていたら、ささくれ立っていた神経が少し潤った感じがした。
「……桜、身体キツいだろ? そろそろ出よう。このままだとここで襲いそうだ」
シャワーの下で抱き合っていた僕たちは、お互いもう完全に勃 っていた。僕はうなずいたものの、また風吹の唇をもとめて背伸びした。風吹は僕の口の中を全部舐めつくすように深いキスを返してくれた。
「……まずは水を飲んだ方がいい。足元ふらついてる」
風吹の言う通り、僕は少し頭がクラクラしていた。暑い気温と、アツい自分の欲求に身体がついて行っていない。
「ちょっとここで待ってろ」
階段の下まで来た時、風吹が言った。僕は手すりにつかまって待つ。程なく、腰にタオルを巻いだだけの風吹が五百のペットボトルを持って戻って来た。
「ほら、水分補給」
ボトルの蓋を取って、風吹は僕に水を渡してくれた。僕は一口ずつ慎重に水を飲んだ。火照 った身体がクールダウンしていくのが気持ち良かった。
「歩けるか?」
訊かれて僕はうなずいた。風吹に支えられながら階段を上る。クーラーの効いた部屋に入ると、風呂上りの汗ばんだ肌が一気に冷えた。
「温度差激し過ぎだな……」
風吹が僕の身体を抱きしめる。僕も風吹の広い背中に腕を回した。風吹が屈 んで顔を近づけ、お風呂場の続きのキスを始める。
僕は風吹の首に腕を巻き付け、段々激しくなるキスに応えた。腰のタオルが床に落ち、お互いの陰部が触れ合った。頭まで響くような快感が走る。二人のアソコの先端からあふれた液が僕の部屋のカーペットにパタ、パタ、と音を立てて落ちていた。
風吹は僕の腰に手を回し、グイッと僕を持ち上げた。そして横にあったベッドに僕をゆっくり押し倒す。
「──アッ……ン……ウンッ……」
風吹の愛撫に反応して、僕は甘えるような声を上げてしまう。濡れたままの風吹の髪が、僕の胸からお腹へと滑っていく。
脚を大きく広げさせられ、腰も上に向けられた。僕の秘部は風吹の目に隠しようがないほど露 になる。
風吹は自分が今から入ろうとしている場所を、舌で舐めて柔らかくする。快感を抑えきれなくて、僕の両脚がガクガク震えた。ペニスの先端から落ちる体液で自分の胸元が濡れて行く。イってしまうのを我慢するために、僕は頭の下の枕を両手で握りしめた。
風吹は上体を起こし、机の引き出しを開けた。取り出されたローションが、僕のお尻の穴に垂らされる。風吹は穴を数回指で慣らしてから僕の上に覆いかぶさった。
「はぁっ……。ん……ハ……ァアッ」
熱くて硬いモノが僕の中にゆっくり入って来た。快感が全身を走り抜けていく。
「あ……。全部……入った。桜……、桜……!」
風吹が腰を僕に打ち付けてくる。お互いの肌がぶつかり合うパン、パン、という音が部屋の中に響いた。
僕は風吹の腕をつかみ、身体を後ろに反らした。風吹の口が僕の乳首を吸い上げたので、気持ちの良さに悲鳴のような声が出た。
「風吹……、ふ、ぶき……。もっと……もっとして……!」
「桜、好きだ。桜」
お願いを聞き入れて、風吹はもっと奥へと入って来てくれた。愛おしさが湧きあがり、僕は風吹にしがみついた。
「桜……さ……くら……。消えないでくれ。桜……!」
風吹は僕の中に自分を打ち込み続けながら言った。まるで懇願 しているような声だった。
「風吹……ッ……ふぶき……。ここに、いるよ……。ずっといるか、ら……ッ……アッ……」
風吹は腰の動きを止めて僕を抱きしめた。小刻みに震えながら僕の腰にグッ、グッ、と自分の腰を押し付ける。風吹が僕の中で射精したのが分かると、快感と嬉しさのあまり僕のペニスからも精液が放たれた。
「……くら……。……桜、桜」
風吹は繰り返し僕の名前を呼んで、顔中にキスの雨を降らせた。最後に僕の唇を捉え、たっぷりと舌を絡ませる熱いキスをしてくれた。
キスの後、風吹は僕から自分を引き抜いた。使用したゴムを結んでティッシュにくるんで捨てる。僕のお腹もティッシュで綺麗に拭いてくれた。
風吹は起き上がったまま、僕の大腿部(だいたいぶ)を撫でながらじっと僕を見ている。僕は恥ずかしくなって、タオルケットで陰部を隠した。
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