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第六話:リシェル皇子、足が浮いちゃう立ちバックを致す(♡)

 達した後の放心状態に浸る暇もなく、リシェルは後ろから胴体を抱えられた。  落とし穴の側面に手をつかされ、精液でぐちょぐちょになった尻の間に、ずぶりと指を差し込まれる。 「な、何をする……、そんなところ……」  初めてのはずなので、少し後ろを振り向きながら言い訳のように言ったが、ぐちゅぐちゅとほぐされるうちに身体が熱くなって、それどころではなくなってしまった。 「はぁん……♡」  的確に気持ちいいところを探られ、どんどん入り口がひゅくひゅくとうごめいてしまう。  内腿を、先ほどかけられたディオスの精液が伝い、ますます身体が熱くなる。 「私を犯すなど、ただではすまされないぞ……」 「やってみろよ」  後ろから鼻で笑う音が聴こえて、背中にディオスの身体が重ねられたかと思うと、後孔に熱く大きなモノが押し当てられた。 「や、やめろ、主君を犯すなど……」  リシェルはなけなしの理性で抵抗するが、ディオスとの快楽を覚えている後孔は、くぱくぱと口を開いて屹立に吸い付いている。 「ダメだ。犯す」  ずぷっ……!  はあっと熱い吐息をリシェルの肩に吹きかけながら、ディオスは言い切って、熱い屹立をねじ込んできた。 「かはっ……、はあっ……♡」  圧迫感に腹を突かれ、ひはひはと浅い息を繰り返しながらも、ディオスのモノが入ってきた瞬間、全身が痺れるような悦びが走った。  落とし穴の中なら、誰にも見とがめられることはないし、曲者は全員ディオスが始末してくれた。  そしてその大好きなディオスがこんなにも、大事なモノを熱くして求めてくれているのだ。 「あ……あぁ……♡」  リシェルを後ろから腕でがっちりとホールドしながら、ディオスは腰を動かし始めた。  ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ……。 「ああっ! やあっ!!」  演技ではない悲鳴が漏れたが、それは苦痛や嫌悪のためではなかった。  ディオスの屹立がリシェルの中を突くたびに、隠していた何かをめくりあげられるようで、秘めた何かまでも暴かれてしまうようで、リシェルは悶えた。  ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ……。 「いつもより、ずっとイイ顔してるじゃねえか」 「はあっ♡ だめぇっ、見るな、見るなぁ……♡」  ディオスは後ろからリシェルの顎をつかんで振り向かせ、熱く火照り涙を流す頬に唇を這わせた。  きっともう顔はトロトロになっていて、リシェルがディオスのことが好きなのが、ばれてしまう。  ずちゅん、ずちゅんっ、ずちゅんっ……!  ディオスは両腕でグッとリシェルの身体を抱きしめると、激しく突き始めた。  身体を持ち上げられながらディオスの剛直に尻を叩きつけられて、リシェルのかかとは宙に浮いた。  何度も往復するたびに、少しずつディオスの屹立は奥へと入り込み、どちゅんっと奥の窄まりを突いた。  ──はぁんっ♡ 奥、来ないでぇ……♡  奥を突かれたら、もっと気持ちよくなってしまう。リシェルがおかしくなって、ディオスのモノでイッてしまう……。  おののきながらも興奮してしまい、リシェルのナカはきゅうんっとディオスを柔らかく締めつけた。 「なんだよ、ココ、すげー悦んでるじゃねえか」 「やあっ……、はぁん♡……♡ あん……♡」  ──あぁん、気持ちいい……♡ もっといっぱい突いて……♡  目尻に涙を光らせてぎゅっと力を入れていた眉は、いつしか緩み、リシェルはとろんとした半眼になって、ディオスに突かれる快感に身を委ねた。  ズキズキするほどの絶頂の予感を、浮いてしまったつま先で空を蹴って逃がそうとしたが、余りにも鮮烈な快楽に、リシェルの全身は高まっていくばかりだった。  ディオスが身体を揺さぶるたびに、リシェルの陰茎はぷるん、ぷるんと上下に揺れ、先端から何かがぴしゃぴしゃとしたたり落ちているようだったが、それが何なのかなど、どうでもよかった。 「あん……♡ あん……♡ あん……♡」  ずんっ、ずんっ、ずんっ……。 「ああぁ……♡」  後ろから突かれながら、リシェルは涙を浮かべた目を閉じて、震える手で落とし穴の冷たい土をカリカリと掻いた。 「あぁ……♡ ああん……♡」  ──犯して、もっと犯して……♡ 大好き……大好き……♡  ガツガツと乱暴に後ろから突かれているうち、リシェルの腹の奥からじわじわと脳を染め上げるような快楽が広がっていった。 「あぁ……♡ ああん……♡ お尻……♡ おかしくなる……♡♡♡」  ──やめないで……♡、もっとお尻の中ずぽずぽ突いて、いっぱい子種出して、おかしくして……♡ 「いいぜ……おかしくなって、ケツマンコでイケよ」  たまらなくなって宙に浮いた足のつま先を伸ばし、ジタバタと空を掻いたが、ディオスの腕は逃がさずリシェルの奥をドチュッドチュッと突き、気持ちいいところをこすり上げてくる。 「あぁん……♡ はぁんっ……!♡♡ あぁあああんっ♡」 「オラッ、……イけっ」  リシェルの耳元で低い声が吠え、背中に身体全体を押し付けて、ズンッと屹立が最奥にねじこまれた。  ──あ、あ、ああああっ……!!  びゅくっ!びゅくっ! どぷっっ!! 「ああぁんっ!!!♡」  雄膣の奥の窄まりに、熱い精をたっぷりと注がれ、リシェルは内壁を痙攣させて絶頂した。  ◇ ◇ ◇  ディオスは柄に穴が開いたナイフにロープを通して投げ、落とし穴の出口近くの壁面に突き刺すと、ロープを伝って登っていった。  落とし穴の上からディオスに手を差し伸べられ、決まりの悪さを感じながらも、努めて平静を装って、リシェルも落とし穴から這い上がった。  ◇ ◇ ◇  狩りの催しは、一位がカルロ皇太子、二位がリシェルとなった。 「曲者と、そいつらが乗ってた馬も足せば、圧倒的に一位じゃねえか。見せてやればよかったのに」 「物騒なことを申すな。私が、惰弱ではないが兄上を脅かすつもりもないと示すことが此度の狩りの目的。二位がちょうどいいのだ。後で兄上には報告しておく」  帰路で新たに調達された馬を並べながらぼやくディオスに、リシェルはいつもの無表情で答えた。  ──あ……。  パカポコと揺れる馬上で、こぽり、とディオスの精が下着の中に垂れ落ちて、リシェルは身震いした。  濡れた感触は決して気分良いものではないはずなのに、この身体がディオスのものだと印をつけられたようで、密やかな悦びに胸が疼いた。  ディオスはあの日のことを覚えていないはずだ。  それなのに抱いてくれるなんて──。リシェルのことを憎からず思ってくれているのだろうか。  それとも、傷口を舐めるなどという大胆な行為──いや、必要な処置だったのだが結局精液まみれになって無駄になった──のせいで、ムラムラしただけなのだろうか。  しかし、ディオスはいずれ、リシェルのもとからいなくなる身なのだ。  現にリシェルの下には、ディオスへの見合いや奉公の誘いが届き始めていた。  武勇に秀で、高等学院でもリシェルに次ぐ成績を修め、高身長で良い男ぶりであるだけではない。ディオスと縁続きになるということは、第二皇子たるリシェルとの強固な結びつきを手にすることにもなるのだ。  ──できるだけ良いところに行かせてやらなければ……。  さっき嬉しさを覚えたディオスの精の感触が、なぜか居心地悪くなり、リシェルの胸に先ほどとは異なる痛みが走った。

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