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6 : 35 微*
今はただ、カワイのことだけを見つめていたい。
難しいこととか、面倒なことは考えたくなかった。これが例え、無責任な我が儘だとしても。
なぜなら──なんて、言い訳をするつもりはないけど。だけど、言わせてもらえるのなら。……俺は、かなり我慢していたのだ。
「カワイ。ズボン、脱がすよ」
「っ。……う、ん。いい、よ……」
まるで、夢のようで。毎日のスキンシップを断ち切って久し振りの触れ合いが、こんなに官能的なのだから。
カワイは……緊張、しているのかな。ちょっと意外だけど、そんなところも可愛く思える。
だから俺は、素直にカワイへ伝えた。
「カワイ、可愛いね」
ゆっくりと、カワイのズボンを下ろしながら。
するとカワイは珍しく、分かり易いほどに顔を赤らめた。
「ヒト? なんだか、あの、変だよ?」
「そうだね、変だよね。カワイが一緒にいてくれるだけで、なんでもない毎日も特別なものに変わるんだから」
「そっ、そういう話じゃなくて。……そう言ってくれるのは嬉しい、けど」
ズボンを膝の辺りまで下ろして、止める。そうすると、カワイは困ったような顔で俺を見上げた。
「こんなにゆっくりズボンを下ろすのは、変だよ。同意の上なんだから、もっと、早く……」
なるほど、そういう意味か。理解と同時に、俺は口を滑らせた。
「──それって、俺に早くエッチなことをしてほしいってこと?」
「──っ!」
ポンッ、と。音が出そうなほどの勢いで、カワイの顔が真っ赤になった。
こんなに露骨な表情の変化は、本当に珍しい。思わず、食い入るように見つめてしまう。
俺に見つめられて、おかしな指摘をされて。どうしていいのか分からないのか、カワイは視線を泳がせる。
だが、すぐに……。
「──う、ん。……して、ほしい」
カワイは服の裾を引いて、俺にそう伝えた。
「あはっ。おねだりするカワイも可愛いね。エッチで、可愛い」
「ボクを襲うヒトは、カッコいいよ。エッチで、カッコいい」
「本当? そう言われると照れくさいけど、嫌な気はしないね」
「うん、同じ。ボクも、ヒトに言われるならどんな褒め言葉も嬉しい」
なんて可愛い子だろう。大切にしたい。
……などと、今からこの子を穢す俺には思う資格もないのかもしれないけど。
カワイのズボンを下ろした後、俺は自身の前を寛がせる。すぐにカワイはその動きに気付き、あろうことか凝視し始めた。
「ヒトの、勃起してる……」
「カワイは? してないの?」
「……して、る」
「あははっ。じゃあ、お揃いだ」
コクリと、カワイは頷く。尻尾の先がヒュンヒュンと素早く揺れているのは照れているからなのか、それとも【お揃い】が嬉しいからなのか……。どっちにしても、可愛いことには間違いないけど。
素直に告白したカワイは、視線を下から俺の顔へと向ける。
「今日、最後までするの?」
「いきなりそこまではしないよ。カワイの負担が大きいからね」
「う、ん。……ヒト、優しい」
「どうかな。保護対象の子にこんな行為を迫っている時点で、俺は優しい男ではないと思うよ」
そう言い、俺はカワイの下着を下げた。ズボンの時とは違い、こっちは焦らさずに。
下着から露わになったカワイの下半身は……カワイの告白通り、これからの行為に反応していた。
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