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 カワイとキスをして、俺も寝間着を脱いで、素肌同士で触れ合う。  俺の指を、カワイの後孔に。その締め付けを感じて、俺は『これからカワイと愛し合うのか』なんて考えてしまった。 「痛くない?」 「うん、平気。だから、続けて?」 「分かったよ。だけど、我慢はしないでね。悪魔の体が丈夫だとか、そういうのはナシ」 「ん、分かった」  指を動かせば、カワイの体は反応を返す。訊ねながら指の本数を増やすと、徐々にカワイの表情が変化していった。 「んっ、ん……っ。ヒト、そこ……っ」 「ここ? もしかして、気持ちいい?」 「うん、気持ちいい……っ」 「じゃあ、もっと触るね。それと、素直に言ってくれて嬉しいよ」  カワイが、ふにゃりと柔らかい笑顔を浮かべる。それがまた可愛いから、俺も笑顔を返した。  後孔を解すために、しっかりと時間をかけて。カワイの様子を見て、俺は『次に進んでも良さそうだ』と判断する。 「ヒト、それ……なに?」 「コンドームって言って、えーっと……避妊具、かな。男同士だけど、それでもこれを使わないとカワイの負担が大きいから」 「そうなんだ。……ありがとう」  用意していたって点に関しては、触れないでくれた。指摘されたら恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだから、ありがたい。……だけど、コンドームを付ける様子を観察されるのは恥ずかしいかな。 「そんなに見ないでよ、カワイ。さすがの俺でも、照れる」 「ヒトだって、さっきボクの体をジッと見たでしょ? だから、おあいこ」  うっ。そう言われると、弱い。観念して、俺は【カワイを抱く準備】を観察され続ける。 「えっと。……本当に、するよ? 嫌じゃない?」 「イヤじゃない。すごく嬉しい」  真っ直ぐな目で答えられた俺は、なんて幸せ者なのだろう。カワイの後孔に逸物を押し付けながら、そんなことを思った。 「優しくする。大事にするね、カワイ」  カワイが、コクリと頷く。その様子を見届けてから、俺はカワイとの距離をゆっくりと詰め始めた。 「ん、う……ん、っ」  カワイが小さな声で呻くと、素直な尻尾は俺の腕にキュッと絡み始める。 「ゆっくりするから、無理しないでね。なにかあったら、すぐに言って?」 「だい、じょうぶ……。痛くは、なくて。ただ、圧迫感……異物感、かな。ちょっと、ビックリしちゃってるだけ」  答えた後、カワイは覆いかぶさる俺を見上げた。 「ヤッパリ、ヒトにされてイヤなことなんてないみたい。今、すごく幸せ」 「……っ」  幸せ、なんて。そんな言葉を貰える日がくるなんて想像、一度だってできなかった。  苦しくてつらいのは、カワイのはず。だから、俺はその中でもカワイの負担を減らしてあげなくちゃいけないのに……。 「カワイ、大好きだよ。一番、一番……一番、大好きだよ」  誰かを愛せて、誰かに愛されて。こんなに幸せで、良いのだろうか。無意識に、体が震えてしまった。  思わず、泣いてしまいそうになったから。俺は身に余る気持ちを噛み締めるように、カワイの体を強く強く抱き締めた。

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