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逸物を根元まで挿入して、お互いに一息吐く。勿論、お互いに抱き合ったままで。
「すごく、すごい……。ヒトが、ボクのナカにいっぱいだね……」
「そのセリフだけで出ちゃいそうだから、今は刺激が強い発言を控えてほしいかも」
「そっか。ボクもすぐに出ちゃいそうなくらい気持ち良くて幸せだから、お揃いだね」
「だから、そういう発言をだね……!」
ヤッパリどこか、余裕そうに見えるなぁ。ちょっと悔しい。
でも、カワイの息は少し乱れている。顔だって、赤いままだ。だからカワイだってちゃんと、この行為に心を動かしてくれている。
「……続き、するね?」
それでも普段通りに見えるのは、気遣いではないだろう。普段通りになってしまうくらい、幸せだって気持ちがいっぱいなのだ。
カワイが頷いてくれたのを見て、俺はゆっくりと行為を再開する。カワイの手を握って、カワイに愛を示した。
「ヒト、気持ちいい」
「俺もだよ、カワイ。気持ち良くて、それで……すごく、幸せだよ」
体を揺さ振ると、カワイの様子が少しずつ変化していく。柔らかい笑顔を浮かべていたカワイが、徐々に表情にも今の心情を反映させていったのだ。
「あっ、あ……っ」
カワイにとって気持ちいいところに逸物が当たると、分かり易い反応を返してくれる。繋いだ手に力が籠って、俺の腕に絡みついた尻尾の先端が跳ねた。
「可愛いね。すごく、愛おしい」
クールなカワイも好きだけど、俺に振り回されていっぱいいっぱいなカワイも大好きだ。だから俺は、感じたままに想いを伝えた。
それを受けて、カワイはいっぱいいっぱいなままでも笑顔を浮かべる。きっとこれは、俺に好意を告げられて喜んでいるのだろう。
「嬉しい。ヒトに愛されると、すごく……うれしい」
手を繋ぐ力が、お互いに増した気がする。それが可笑しくて、だけど嬉しくて。ヤッパリ、お互いに笑みを浮かべてしまった。
「大好き、ヒト。ヒトが、好き」
素直に気持ちを伝えてくれるのが、どれだけ尊いことなのか。カワイはきっと、知っている上で伝えてくれているのだろう。
一度、繋いでいた手を離す。それから俺は、カワイの体を抱き締めた。
「ありがとう、カワイ。俺を好きになってくれて……大切にしてくれて、ありがとう」
こんなに幸せで、本当に良いのだろうか。なぜだか急に、そんな不安が生まれた気がする。
だけど、カワイにそれを伝えたら? 答えなんて、決まっている。
──いいんだよ、と。カワイは笑って、そう言ってくれるから。
カワイの尻尾の先端が、俺の唇に近付いた。俺は尻尾の先端にキスをして、そっと舌を這わせる。
尻尾が性感帯のカワイは、ピクリと体を震わせた。甘い吐息を漏らすカワイは、潤んだ瞳で俺を見上げる。
「ヒト、ボクもう……っ」
「俺もあんまり、余裕がないかな。……お揃い、だね」
「んっ、お揃いだね。……うれしいっ」
お互いの体を抱き締め合って、乱れた呼吸を隠しもしない。俺たちは体に伝わる幸福を享受し、甘受し合った。
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