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 折角起き上がったのに俺たちはまた、ベッドの上で寝転んでいた。  一度キスをし始めたら、なんだか止まらなくて。俺がカワイを押し倒して、カワイがそれを受け入れてくれた。今の状況は、こんなところだ。 「カワイ。次はどこを触ってほしい?」 「……口が、いい」 「キス?」 「うん。もっと、キスしてほしい」  可愛い。そう思うと同時に、気付く。……思えば俺、こういうキスもカワイにしてあげていなかったな、って。  挨拶みたいなキスはしていたけど、なんて言うのかな。こうした、恋人っぽいキス? それは、あまりしていなかった。なんだか、申し訳ない。  カワイのためって言えるほどじゃないけど、俺がしていた遠慮は確かに、カワイを想ってだった。だけどそれが逆に、カワイを追い詰めていたなんて……。本当に、情けない話だ。 「ヒト、ダメ……。お腹、熱くて──んっ」  距離を詰めて、体を密着させる。それからわざと、俺は自分の逸物を寝間着越しにカワイへと押し付けた。  そうするとカワイは、布越しの感触なのにお腹に擦り付けるだけで、可愛い声を漏らす。 「やだ、直接が、いい……っ。いじわる、やめて……」  うぐぅ、可愛いっ。胸が締め付けられるぞっ。  カワイは俺とキスをしながら、俺にしがみつく。それから、潤んだ瞳でこう強請った。 「──ヒトの体液、ボクにちょうだい……?」  どっ、独特な誘い文句だっ。しかしトキメク、俺の胸。カワイに求められるのならなんでも嬉しいみたいだ。俺って扱い易いと言うか、露骨なくらい分かり易い男だなぁ。  ……とまぁ、そんな感想は置いておこう。俺はカワイの寝間着を脱がしながら、自分の寝間着も脱ぎ始めた。 「初めてじゃないけど、ヤッパリちょっと緊張するね」  そう声を掛けると、カワイは恥ずかしそうに頷く。  寝間着の下から覗く、カワイの素肌。いつ見ても、どんなときに見ても感動する。  それがベッドの上なら、なおさらだ。 「触るよ、カワイ」  もう一度、カワイは頷く。脚を開かせると、カワイの【期待感】は丸分かりだった。 「まだキスしかしてないのに、カワイはエッチだね?」 「ヒトも同じ……でしょ?」 「まぁ、うん、はい。否定はできません」  好きな子といい雰囲気になって、ちょっぴりいやらしいキスだってしたんだ。お互い、期待はしちゃうよね。  カワイの脚の間に手を入れて、指先で奥を撫でる。そうすると、カワイが小さいながらも甘い吐息を漏らした。 「ドキドキ、する。ヒトに触られるとボク、自分を律することができないみたい……」 「それは俺にとって、嬉しい言葉だよ。もっともっと、俺でいっぱいいっぱいになってね?」 「ヒト、イジワルモードだ……」  会話をしながら、カワイの内側をゆっくり解す。俺の指がカワイの【好きなところ】をくすぐる度に、カワイは可愛い声を漏らしていた。  だけど、カワイの願いは【自分が気持ち良くなること】ではない。 「ヒト、早く……っ。早く、ボクのナカに……」  カワイの願いは──カワイが欲しがるものは【俺】なのだから。 「うん、大丈夫。でも、傷付けたくないから、大切にさせてね?」 「……前言撤回。ヒトはイジワルじゃない」 「あははっ。ありがとう、カワイ」  ほんのりと悔しそうな顔をしているカワイを見て、思わず笑みが零れた。そんな俺を見て、カワイは唇を尖らせている。  だから、尖った唇にキスをしたのだけど……。そうすると、カワイがさらに悔しそうな顔をした。 

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