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第6話 信頼の証とつながる心(6)★
「ああっ……」
軽く突かれただけで駄目だった。電流でも流されたかのように、体が勝手に跳ねてしまう。
羽柴はその反応に目を細めると、執拗に同じ箇所を責めてきた。優しく指の腹で撫でられてしまえば、未知なる快感が襲いかかってくる。
「やめ、変な声、でる……からあっ」
「だーめ。気持ちよさそうな声、もっと聞かせてくださいよ」
口元を手で覆って、漏れそうになる声を押し殺すも、羽柴がそれを許さない。こちらの手をベッドに縫い留め、なおも敏感な箇所を責め立てる。
「っあ、や……んんっ」
恥ずかしくてたまらないのに、甘ったるい声が口をついて出る。聞かせたくないと思うほど余計に感じ入ってしまい、もはや始末に負えなかった。
そのうち中がほぐれてきたのか、相対して指の動きも滑らかになっていく。己の嬌声に加え、くちゅくちゅという卑猥な水音まで聞こえてきて、犬飼は耳を塞ぎたくなった。
「すっごい音。蓮也さんってば、女の子みたいになっちゃってる」
「んっ、は……わざと音、たててるだろっ……」
羽柴は笑みだけ返すと、指を引き抜いてローションを注ぎ足した。今度は中指を添えて挿入を試みようとする。
「ぁ、んう……っ」
二本目の挿入も、驚くほどスムーズだった。
緩やかに抜き挿しされたかと思えば、体内でクイッと指を曲げられ、先ほどと同じように内壁を擦り上げられる。ほかにもトントンと叩いてきたり、圧をかけて押し込んできたり……と、羽柴の指使いは巧みだ。
そうやって指を動かされるたびに、自分の中がいやらしく収縮しているのがわかる。
「ひっ、あ、あぁ……」
口から出る嬌声はもう抑える気も起きず、それどころか犬飼は無意識のうちに背をしならせ、へこへこと腰を揺すっていた。
そんな醜態を前に、羽柴が大きく喉を鳴らす。
「蓮也さん、エロすぎかよ……っ」
間髪を入れずに、人差し指までもが後孔へと挿し込まれた。
三本の指で体内を押し広げられると、さすがに圧迫感を覚えずにはいられなかったが、それでも勝手に腰が揺れてしまう。
「うあっ、ん……はっ」
犬飼は相手の背に腕を回しながら、与えられる快楽に身を委ねる。
荒っぽい指の動きに翻弄されるがままでいたのだが、やがてずるりと引き抜かれると同時に、羽柴の切なげな声が降ってきた。
「ごめん、蓮也さん。もう限界……蓮也さんのナカに入りたい」
股間の膨らみを押しつけるようにして、余裕なく訴えかけられる。
その凄まじいまでの硬さと熱に圧倒されたが、犬飼はしっかりと頷いてみせた。
「ああ……来てくれ、羽柴」
「っ――」
こちらの返事に、羽柴はすぐさまベルトを外しだす。
スラックスの前をくつろげると、下着の中から己の欲望を取り出すのだが――まさに巨根というべきか、赤黒くそそり勃ったそれは、自分のそれとは比べものにならない。
(どこもかしこも、規格外だろ……)
はたして受け入れられるかどうかと、怖気づこうにも、すでにSubとしての本能が疼いていた。服従心がふつふつと湧き上がり、早く満たされたいと切望するあまり、窄まりが物欲しげにヒクつく。
羽柴はコンドームを手早く装着するなり、「蓮也さん」と低く呼びかけてきた。
「挿れますよ」
言って、熱い切っ先を宛がい、角度が定まったところで腰を押し進めてくる。
犬飼は思わず息を詰め、すがるようにシーツを握り締めた。
「くっ、う」
懸命に力を抜こうと試みるのだが、なかなか上手くいかない。慎ましやかだった蕾は、無慈悲にも極限まで広げられ、痛みと圧迫感に呼吸すらままならなかった。
また、相手にしたって辛いのだろう。羽柴は眉根を寄せながら、玉のような汗を額に浮かべていた。
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